イスラム国の残忍さは病気が原因? ― 普通の人間が突然、殺人鬼になる「邪悪症候群」
心優しい教養ある若者が、なぜカルトとも呼べる過激な反体制組織に入る決断を下し、その後凶悪なテロの実行犯になり得るのか――。これまでは貧困や格差、差別などに起因する社会問題と思われていたが、今、新たな視点からのアプローチが試みられている。人が残虐になるのは“病気”のせいであるという観点だ。
■人を冷血な殺人鬼に変える「邪悪症候群」とは

11月13日、死者130人以上にものぼったフランス・パリの同時多発テロ事件の衝撃で今、世界中がテロの恐怖に包まれている。オランド仏大統領は「フランスは戦争状態にある」と述べ、テロリスト組織との徹底抗戦の構えを見せて主要各国もそれに同調。日本を含め各国でテロ対策の強化が進められ、なんとも重苦しい雰囲気のまま年末年始へと向かっていきそうだ。
昨年独立が宣言され、今も勢力拡大のための戦闘を繰り広げているイスラム教系過激派武装組織、自称「イスラム国」だが、戦闘のほかに実はリクルート活動のほうも活発である。主にヨーロッパから決して少なくない数の若者が組織に加わっている実態が明らかになっており、しかもその多くは穏やかな普通の若者たちなのだ。
どうしてごく普通の若者たちが残忍な過激派組織に共鳴し、行動を共にするのか?
もちろん社会への不満や義憤だけで人殺しを行う殺人犯も世には存在するが、これらの若者も“ナチュラル・ボーン”な殺人犯と同じく、実は腹の底に残忍な心を持っていた者たちなのだろうか? これを解明するための別の観点が再び注目されている。それは人が残忍になるのは「邪悪症候群(Syndrome E)」という症状によるものだという仮説である。
1997年に米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経外科医であるイツァーク・フライド博士が医学誌「The Lancet」で発表した仮説は、普通の人間を残忍な殺人鬼へと変貌させる「邪悪症候群(Syndrome E)」という症状についての研究から導かれている。
フライド博士によれば、脳の前頭前皮質で一種の認知的“損傷”(cognitive fracture)が起こることにより合理的な考えや判断ができなくなり、より動物的で野蛮な脳の部分(扁桃体)に思考や行動が支配されてしまうというのだ。こうして普通の人間が何の躊躇もなく人を殺す残忍な連続殺人犯に変貌すると説明している。
「邪悪症候群」に冒されると人は異常なほど宗教やイデオロギーに凝り固まり、教義などを強迫的に復唱し、暴力を軽く考えるようになり、情緒的な反応を示さなくなるうえ、身体が常に周囲を警戒する過覚醒状態になるとされている。
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