「オレは世界一の短小」2.5センチの男性器をもつ男の苦し過ぎる人生 まさかの切断も…
■ベイカー氏の思いとは?
1960年代のイギリス、エセックス州のチェルムズフォードの郊外で生まれたベイカー氏は、恥とタブーが折り重なった環境下におかれていたも同然で、親や兄弟たちとさえもその話題を避けているなかで育っていくしかなかったのである。尿道下裂とミクロペニスを併発していたベイカー氏は、通常時で約2.5センチ、勃起時でも10センチたらずの自分の男性器を、世界の唯一の奇形男性器の持ち主と思い込み、悩み苦しみ続けていたのである。
「他人のいるところで着替えをしたことはない。私にとって競泳用のスイミングパンツを履くことは、拷問と同じだった」とベイカー氏は言う。「世間では、男の評価は一物の大きさで決まる。それが社会なんだ」とも言い、誰にも自分の悩みを言えずに少年時代を過ごしていたことを振り返る。
■誤診で亀頭切断
さらに、彼の不幸に追い討ちをかけたのは、大学で農業を学び、1年間の実習のためにニュージーランドの農場で働いている時に起きた事故だ。
性欲旺盛な年頃でもあった彼は、ある日、性生活の向上のために泌尿器科の専門医が、ベイカー氏を訪れた。しかし彼は、男性器の状態を尿道下裂とは診断できず、普通の割礼を勧めたのである。
しかもこの誤診によって、割礼ではなく男性器の神経が集中している部分、つまり亀頭を切除されてしまったのである。これによって、ベイカー氏は、通常のセックスでオーガズムを得ることすら困難になってしまったわけである。男性器のサイズだけでも十分すぎるほどの精神的負担だった上に、感覚まで奪い取られてしまったベイカー氏の苦悩は、他人には計り知れないものであったに違いない。
そういった困難の中でも、ベイカー氏は29歳の時に幼なじみと結婚し、カナダへ移住し二人の子供を授かった。しかし、結婚生活も長くは続かず、2001年には破局を迎え、それ以降1回しか普通のセックスはしていないという。「私にも、普通の男と同様の性欲はある。しかし、することも感じることもできない」ベイカー氏は、このように自分の身体と心の悩みを言っている。
インターネットグループによって、3年前に自分の症状が、特異な奇形でないことを知り、心のなかの重荷のひとつから解放されたベイカー氏の現在の心配は、この症状が自分の子ども、孫に遺伝していってしまうのではないかということであるそうだ。少しずつではあるが、やっと前向きに人生と向かい合えるようになったベイカー氏は、今カナダの大自然の中での生活を楽しみはじめているという。
(文=高夏五道)
参考:「Mirror」、「Daily Mail」ほか
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