「ただ、雨の降らないとこで寝たい」池袋からドヤ街・山谷まで歩き道に倒れていた男と出会って
2016.01.06 14:00
「Another Side」(C)Sho Niiro
話の内容はわからないが、らちがあきそうもないので山谷のことは自分のほうが詳しいからと電話を代わってもらい直接話しをしてみると、担当の方はやはり、山谷ならそれくらいで宿があると思っていたらしい。
山谷の相場や時期的な話をして長いこと交渉すると、相手の方も納得したようで宿代をしっかり保証してくれることになった。声からするにどうにも若い人のようだった。山谷は世間からすれば時を止めた街のような存在なのかもしれない。時々感じることである。
「Another Side」(C)Sho Niiro
宿代の心配事がひとつ消え、また宿探しに。
「ただ、雨の降らないとこで寝たいんです」それがおじさんの切なる願い。
何軒目かの宿で、女将さんが上記の事情を聞いて不憫に思ったのか、ちゃんと話を通してくれた。ちょうど部屋が空いていたので、その日から泊まれることになった。「ガスコンロはここだからね、それとゴミの分別はやってね。うちの部屋は引き戸で鍵はないんでほうきでも置いてつっかえにしてね」、という具合で一通り説明が終わるとそそくさと帳場に戻っていく。
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