落雷が直撃か?ニューイヤー花火大会に現れたUFO?=オーストリア
新しい年とともにUFOがやって来た――。オーストリアの学生が撮影した疑惑のUFO映像が話題だ。
■夜空に打ちあがる花火の先には…
2016年1月1日。オーストリア北東部――。果実酒を製造するナシ園が多いことで有名なモストフューター地区の一角では、新年を祝う若者たちが屋外へと繰り出していた。若者たちは厳しい寒さをものともせず、グラスに注がれたシャンパンを手に、新年の伝統であるドナウワルツの演奏に聞きほれていたのである。
ウィーンから訪れていたマリエ・メラさんも、その中にいた。メラさんと彼女の友人たちは、その素晴らしい祝賀の光景を忘れまいと、動画を撮影していたのだ。やがて、若者たちの一人が、打ち上げ花火の導火線に火をつけた……。
花火はけたたましい音とともに発射され、勢いよく空へ昇ってゆく。夜空に花開く瞬間を記録しようと、カメラは花火の動きを追った。
■UFOにも雷は落ちる
メラさんは、この予期せず撮影された動画をFacebook上で公開したが、その反響は想像以上に大きなものだった。
動画は公開から一週間足らずで、すでに10万回近く再生されているのだ。
動画に収められた怪現象とは、稲光を浴びながら夜空を疾走するUFOの姿であった。弾ける花火の向こうに確認できるUFOは、エンジンの排気であろうか、彗星のようなガス状の尾をひいている。さらに興味深いのが、数回にわたり落下する雷のうちのひとつが、明らかにUFOめがけて落下している点である。
余談だが、我々が長距離を移動する際に世話になる旅客機も、まれに雷の被害を受けることがあるという。そのような被害は、やむを得ず雲や雨の中を飛行する際に発生し、一般的な落雷とは区別され“被雷”と呼ぶらしい(動画のUFOについても、雷光に照らされる厚い雲の層が確認できることから、悪天候の中を飛行しているようだ)。
旅客機が被雷した場合には、通信装置や計器類、さらには操縦系統にも影響が及ぶこともあるそうだが、UFOは被雷に耐えることができたのか、気になるところである。
■本物かフェイクか!? 巻き起こる論争
だが、動画の内容に注目する一部の人からは、懐疑的な声も聞こえてくる。人工的に見える手ぶれ、一瞬のうちに現れるUFO、メロドラマ風にショックを受けた女性の顔つき――。これらは全て作られたフェイク動画の特徴であるという。
地元の新聞は、オーストリアの最大かつ最も洗練された雷検知システムを持っていると主張する天気予報会社『UBIMET』から発信された、動画に関する気象学者の意見を掲載している。取材に答えた気象学者のローランド・ライターさんは、「我々はビデオに目を通すとともに、撮影日時の気象状況についても確認しています。この地域に落雷の事実はありません」とコメント。動画の信ぴょう性に疑問を投げかけている。
動画を公開したメラさんがウィーン大学の学生であるという事実も、懐疑説が広がる一因になっている。偽の情報がオンライン上でどの程度まで拡散するかを検証するといった実験に過ぎないのではないか、という憶測を呼んでいるのだ。
とはいえ渦中のメラさん自身は、動画に記録された出来事の一部始終は全て真実であることを強調しており、現在はFacebookを利用して、同じく怪現象を目撃した人物を募っている最中だ。
動画は本物か、偽物か? あなたの目はどちらの判断を下すだろうか。
(文=Forest)
参考:「Mirror」、「Independent」、「JAL」ほか
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