米「ローリングストーン」誌が選出、2015年に海外で公開された“最恐”ホラー映画ベスト10!
3位:『What We Do in the Shadows』(邦題:シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア)
ニュージーランド映画。実はこの映画はホラーではなく、「ホラー・コメディ」だと先にお断りしておこう。この作品は、4人の吸血鬼に密着したモキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)作品。現代に生きるヴァンパイアのヴィアゴ(379歳)、ディーコン(183歳)、ヴラド(862歳)、そしてピーター(8000歳)は、ニュージーランドの首都ウェリントンで共同生活を送っている。彼らの生活は吸血鬼というよりも、男子寮の大学生のようでパロディやクダラナイ笑いが満載。世界各国の映画祭で、15もの観客賞を受賞した話題作らしい。
2位:『Goodnight Mommy』(邦題:グッドナイト・マミー)
オーストリア発のサイコホラー映画。森と畑に囲まれたモダンな家に、9歳の双子の少年が暮らしていた。双子のママは優しくて明るい性格だったが、美容整形の手術を終えて帰宅後、まるで別人のように冷たい性格に変わっていた。双子は、「顔を包帯でグルグル巻きにしている女性は、本当に自分たちの母親なのか?」と、その正体を暴こうとする。予告編では、双子が寝ているママの顔にゴキブリを這わせるシーンがあり、嫌いな人には耐えられない映像が……。その後もグロテスクな映像が次々に繰り出されるらしいので、グロ耐性のある人には是非おススメしたい。
1位:『It Follows』(邦題:イット・フォローズ)
アメリカ映画。舞台は荒廃した雰囲気漂うデトロイト。全米でわずか4館の公開から始まったが、口コミで話題となり、1600館まで拡大したという伝説の低予算映画。19歳の女子大生ジェイがある男とカーセックスをした後で、男から衝撃の告白をされる。ジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを。ジェイは迫ってくる「それ」から逃げ続けるというストーリー。
コワイのは「それ」は感染者にしか見えず、誰の姿で現れるのかがわからないことだ。また「それ」はセックスで人にうつせるが、うつした相手が死ねば自分に戻ってくるという面白い設定。一見、ゾンビ映画のようだがスプラッターとは異なり、静かな恐怖が描かれる。思春期と大人への成長を描いた青春映画でもあり、またセックスで「それ」が他の人に感染するという設定は何かの暗示とも読める。しかし、せっかくのホラー映画だ。ヘンな深読み抜きで怖がりたい。「それ」の姿が、普通の中年体型のおじさんやおばさんだったりするのが、かえってグロい。
【本記事を読み、トカナの編集Sも早速1位の「イット・フォローズ」を鑑賞!】
「新しいホラー映画である!」と絶賛されている本作ですが、呪いが感染するという設定は『リング』。性病ホラーというジャンルはゾンビ映画『スリーデイズ・ボディ』ですでに表現されています。ちなみに、この2つは紛れもない良作です。
さて、『イット・フォローズ』はその演出や音響効果も『リング』と似通っているといっていいでしょう。効果的に使われていたキリキリ音や、突然人が出てくる演出など、『リング』由来と思しきシーンがいくつかあり、いかに『リング』が素晴らしい作品なのかを改めて思い知らされました。ただ、『イット・フォローズ』も評価されているだけあり、単なるパクリ映画では終わっていません。この作品の何がすごいかというと、悪魔でも、ゾンビでも、宇宙人でも、お化けでもない「人間の姿をした得体の知れない化け物」というホラーの新キャラ作り出したところにあります。姿を変えるという点では『スキャナーズ』にも通じますが、あちらは正体が明らかでした。でも今回は正体がわからない。そのアイディアは秀逸だとしかいいようがないでしょう。
100点満点中75点といったところでした。
さて、さまざまなタイプのホラー映画が出そろったが、皆さんのお好みはどのタイプのホラー映画だろうか。ホラー映画のアイデアも出尽くした感があったが、こうしてみると、まだまだ新しい発想は尽きないようだ。外は凍てつく寒さの中、こたつでコワイ映画を見比べるのもまた楽しいかも?
(文=三橋ココ)
参考:「Rolling Stone」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊米「ローリングストーン」誌が選出、2015年に海外で公開された“最恐”ホラー映画ベスト10!のページです。ホラー、三橋ココ、イット・フォローズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで