「見えない世界と共存している」真田広之、『Mr.ホームズ』公開記念インタビュー
■イアン・マッケランとの関係と作品の魅力
真田 『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)でご一緒した時には、完全に別の撮影だったので、同じ作品に収まっているけれども、現場で顔を合わせることはありませんでした。今回、撮影初日に緊張しながら挨拶に行くと、イアンが「2回目なんだからリラックスして楽しもう」と言ってくれたので安心しましたね。
――その安心感からか、ホームズと梅崎とが本物の親子のようにも見えてきます。
真田 梅崎にとって、ホームズは父の姿を投影する存在であり、ヒーローであり、畏敬の念も持っています。そんな、梅崎のホームズに対する憧れの気持ちは、僕のイアンに対する気持ちをそのまま置き換えられたんです。長年彼の演技に憧れ、ようやく一緒に仕事ができた。そんな個人的な感情を、そのまま梅崎の感情へすり替えましたね。
――真田さん自身、今作の見どころはどこだと思いますか?
真田 アイデアの素晴らしさですね。老いたシャーロック・ホームズというシチュエーションは、もともと架空の人物であるにもかかわらず、あたかも実在の人物のように錯覚させます。映画の中では、ホームズ自ら、小説に描かれるホームズ像を否定します。既成のホームズへのイメージを壊すことによって、より「ホームズ」という人間を信じられる。長年のファンも「こう来たか!」と楽しめると思うんです。
――初めてホームズの世界に触れる人にとっても、すんなりと入りやすい設定ですね。
真田 これまでホームズは、洞察力に優れ、カリスマ性に溢れたスーパーヒーローとして描かれることが多かった。けれども、老いて、過去を悔いているような人間的なホームズは今までに見たことがない。そんな新たな姿が、ホームズに親しみを抱かせてくれるんです。
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2024.10.02 20:00心霊「見えない世界と共存している」真田広之、『Mr.ホームズ』公開記念インタビューのページです。真田広之、萩原雄太、Mr.ホームズ、イアン・マッケラン、シャーロキアン、シャーロック・ホームズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで