“水晶”で音が劇的に変わる?オーディオのオカルトについてメーカー社長が“真実”を語った!
■水晶を“貼る”だけで音が変わる?
「こちらのライブハウスでは、インシュレーター(AV機器の接地面に置き、振動を逃がして共振を防ぐ器具)にも水晶を使っていただいてます」(石黒社長)
石黒社長が、実際にインシュレーターに使われている水晶を取り出した。これが非常に小さい。ちょっと大きめのビーズくらいだ。
「そうそう、誰か鍵とか、金属を持っていませんか?」(石黒社長)
そして石黒氏が、皿の上にスタッフから借りた鍵を落とした。
――チャリン。
「今、これがチャリンと鳴ったのは、お皿と鍵が共振したからですよね。では次に、この小さな水晶の玉を鍵にテープで貼りつけてから落としてみましょう」(石黒社長)
――カラン。
「音の響きが低くなったの、わかります?」(石黒社長)
……そう言われれば、そんな気がしなくもない。では、なぜ音が変わるというのか? 石黒社長は、水晶によってカギが共振する周波数が変わったのだと力説する。
■クリアな音とは、共振を減らした音
では、共振とはなにか?
例えば、バチで鐘を叩いた時を想像してみよう。この時、鐘だけではなくバチも鳴っているはずだが、音として聞こえるのは鐘の音だ。スピーカーで音を出した場合にも同様のことが起きており、まるでバチで鐘を叩いた時のように音の振動が周りの機材などにも伝わり、震わせて音を出す。これが共振だ。その音は、本来のオーディオ信号とは異なる“ノイズ”であるから、共振を減らせば、それだけ聞かせたい音はクリアになるのだ。
では、周りの機材などに伝わる音の振動をゴムなどで吸収させればよいのか? 残念ながら吸収材は元の音自体も吸収してしまうため、音が曇ってエネルギー感が減衰してしまうのだ。音響業界では「デッドニング」と呼ばれる現象だ。石黒社長によると、そこで水晶の出番なのだという。
「ある周波数に共鳴(共振)していたものも、ほかの物質を貼ることで共振する周波数を変えることができるのです」(石黒社長)
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