孤独死を殺人・自殺と同列に扱っていいのか? 「事故物件とは何か」を大島てるが語る

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0305ohshima_06.jpg※イメージ画像:『事故物件に住んでみた!【Kindle版】』(彩図社)

――常識的に考えて、“殺人事件の舞台になったところは事故物件”ということですね。

大島「それから、医者でないと『死んでる』と判断できないことになっている点にも注意が必要です。通報で呼ばれた警官や救急隊員ではだめなんです。首がちょん切れてるとかよっぽどのことがあれば別ですけど。そして普通、医者は病院にいますよね? そうすると、新聞記事なんかだと『病院で死亡が確認された』と書くしかなくなるわけです。これは決して『マンションにいた間は刺された後もピンピンしてた』という意味ではないのです」

――ただ単に、“死んだ人が運ばれている”ということですね。

大島「そうです。ただ、『結局助からなかったけど、ウチのマンションから運び出された時点では大けがをしていただけ』というパターンも確かにあります。それでも、そこで刺されさえしなければ、今ごろも元気でいて当たり前という年齢なり健康状態だったのであれば、『そこで殺された』と言っても言い過ぎとか言い間違いではないだろうということです。このあたりは私の個人的な見解ではなく、業界内の共通認識のはずです」

 “殺人事件の部対になった場所は事故物件”、このパターンはまだ理解し易いものだろう。

――では、バルコニーから中庭への飛び降り自殺があった場合はどうなりますか?

大島「『大島てる』にはそのようなマンションも事故物件として掲載されていますし、不動産屋さんも、案内した部屋からの飛び降り自殺については、告知してくれることが多いです。それどころか、別の部屋からの飛び降り自殺についてさえ教えてくれることがあります。これは法的に義務があるからということよりも、『サービス』つまり任意で教えてくれるということなんだろうと思います。後になってお客さんの耳に入ったら、やっぱりクレームが寄せられてしまうでしょうからね」」

――良心的な不動産業者も増えてきているということですね。

大島「ちなみに、分譲マンションだとそれぞれの部屋に所有者がいるわけですが、エントランスやエレベータといった共用部分についても、各部屋の所有者が何万分の何百といった割合で所有権を持っているわけです。ところで、バルコニーとかベランダは専有部分ではなく、共用部分にあたります。火事の際にはそこを通って逃げられるようになっていなければいけないですから、本来は植木鉢などで埋め尽くしてはいけない空間なんです。話が逸れましたが、バルコニーは共用部分であって、だから各部屋の所有者はエントランスやエレベータ同様、自分の部屋以外の部屋のバルコニーについても、共有者の一人であることになるわけです。室内での自殺の場合、よその部屋での自殺については何も教えてくれないのに、飛び降り自殺の場合は、どこの部屋からのダイブであっても教えてくれることがあるのですが、もしかしたらこのあたりに理由があるのかもしれません」

――マンションの目の前の道路で事故が起きた場合はどうでしょうか?

大島「その場合にそのマンションを事故物件扱いすることはありません。法的にも告知義務はないでしょう。伝えようにもマンションの外のことですから知らないかもしれません」

――いろいろ細かく聞いてすみません(笑)。

大島「他には、そもそも孤独死を殺人や自殺などと同列に事故物件のグループ分けの一つとするのはいかがなものかという考え方があります。不動産関係者の中に『孤独死は事故物件じゃない』とする立場があることは知っています」

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