築地市場で売られた原爆マグロ? 毒魚「バラハタ」どころではない築地のヤバい日常
今年11月の移転に向けて慌ただしさを増す中央区築地市場。
今月12日には、仲卸業者が東京都によって販売自粛を求められている有毒魚「バラハタ」を食用の「スジアラ」と誤って販売してしまったことが発覚した。翌日には販売した飲食店も判明したものの、都は再発防止に向けて、プロでさえも非常に見分けが難しい魚類の講習会を開くなどの対策を講じる予定だとしている。
また、今年1月には運搬用の小型搬送車「ターレット(通称ターレー)」で死亡事故も起きている。
いまや世界各国から見学人が訪れ、観光地化した築地市場ではあるが、市場のあちこちに危険が潜んでいるのは否めない。なにせここは、プロの現場だ。冷凍マグロの大型カッターは一歩間違えれば簡単に自分の指を切り落としてしまうし、ターレーによる接触事故は日常茶飯事。築地市場内に救急車が入ってこない日はほぼ無いという。世界一の流通量を誇る築地市場であるが、様々な裏の顔もあるのもこれまた事実なのだ。
■無法地帯ー築地市場
●くわえタバコは日常の光景
大通路に掲げられた「市場内喫煙禁止」はおかざり程度、くわえタバコで魚をさばく光景も珍しくない。水産仲卸のある店には、「当店は禁煙。優良店の証です!」と、店の看板に緑の文字でデカデカと書かれているほどである。
「築地ってのは無法地帯なんだよ。なんだってみんな学がないから仕方ねえんだ。でもやっぱ社長クラスになると違うねー、なんていうのか分別があるって言うのかねえ」
そう語るのは築地で働いて40年になるベテランの仲卸の従業員。
市場でターレーを運転している乗り手の人たちを見ると、トレードマークのごとく皆決まったようにくわえタバコをしている。中には自分でターレーの上に灰皿まで自作して付けている人もいるほどだ。市場協会の人にタバコにまつわる面白い話を聞くことができた。
「10年くらい前の話なんですが、築地でもちゃんと喫煙場所を作って清潔さをアピールしようと第四差蓋(筆者注:隅田川の水位が上がった時に閉める水門)の近くに簡易的な喫煙所を作ったんですよ。まぁ木製のプレハブ小屋だったんですけどね。12月のえらく寒い年だったんですよ。それで次の日の明け方、喫煙所の様子を見に行ったら、ないんですよ!あれ、オカシイなぁと思って見渡すと勝手にプレハブ小屋から板を剥がして焚き火をしながら談笑しているではないですか。喫煙所は1日にして暖を取るための燃料になってしまったんですよ。まったくこりゃ話にならんと怒る気にもなれませんでしたね」
今では笑い話でも、せっかく予算を使って作った喫煙所が焚き火の材料にされるとは想像もつかなかったことであろう。
●築地のゴミ捨て場は宝の山?
外の人と、実際に中で働いている人では、市場に対するイメージは180度ずれていると言っても過言ではないのかもしれない。
休市日を除いて魚を捌いて出た廃棄物は、場内にいくつかある集積所に廃棄される。たまったゴミは専門の業者が回収するのだが、回収車が来るのはだいたい朝7時くらいからである。7時とはまた早い、と思った読者もいるだろうが、前日の22時頃には翌日の競りの準備が始まるので、そのくらいの時間になるのである。
その7時までにはゴミを捨てようと、業務用冷蔵庫である「ダンベ」にはじまり、家の粗大ごみを捨てに来たりする人もいる。特に、市場が休みの休市日などを狙われるとテレビや冷蔵庫が散乱しているということもあるという。
また、築地で一番捨ててはいけないのは猛毒を持つふぐの内臓で、こちらは市場奥にある「除毒所」で処分することが義務付けられている。
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