新種の人類か? 世紀の大発見「ホモ・ナレディ」の骨に議論沸騰中!
■新種の古代人なのか否か議論紛糾
過去にバーガー氏の弟子であったオーロール・ヴァル氏をはじめ多くの研究者はいまだに骨の年代推定を試みていないことを疑問視しているという。年代が不明なままでは人類の系統樹のどこに入るかがわからず、とても新種特定の議論に値しないとする学者も多いが、化石人骨を使って放射性炭素法やその他の有力な測定方法を試みた場合、その過程で骨を損傷してしまう可能性があり、測定が困難だと研究チームはコメントしている。
また洞穴は時間と共に変化することもあり、かつてはもっと容易に奥へアプローチできたのかもしれず、初動調査で骨の水輸送(洪水等)や肉食動物による損害の可能性を除外するための、地質と化石の十分な分析をしていないという声もあがっている。
ただライジングスター洞窟で発見された化石にホモ・ナレディ以外の動物の骨は見られず、化石全てを肉眼と顕微鏡で調べた結果、肉食動物の歯の特徴がないことや、骨の亀裂の分析では肉食動物による損傷の形跡は特定することはできないことが判明したということだ。
だが肉食動物の中でもヒョウやヒヒなどは最初に内臓を狙うため、骨まで傷つけることはほぼないという指摘も……。研究者の中にはホモ・ナレディが水を求めて洞窟の奥へ進んだり、あるいは肉食動物や他の原始人から逃れて複雑な洞窟の奥へと迷い込み、最終的に脱出できなくなったのではないか、という説も取り沙汰されており、バトルは激しさと複雑さを増している様子である。
今後もしばらく収束しそうにない“ホモ・ナレディ論争”だが、研究者たちにとって共通の目標は洞窟をさらに掘り続けて新たな発見と調査を進めることだ。ディナレディ人骨群にはまだまだ化石が眠っている可能性があり、貴重な調査対象であることには間違いない。これまでに発見された各個体の異なる年齢層などの詳細な調査や、複雑な地形・地質についても研究の進展が期待されている。はたして謎は解明されるのか? 続報を待ちたい。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Disclose.tv」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊新種の人類か? 世紀の大発見「ホモ・ナレディ」の骨に議論沸騰中!のページです。人類、骨、Maria Rosa.S、洞窟、ホモ・ナレディ、原始人などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで