宇宙はすでにワームホールだらけ?謎を解く鍵を握る物質「アクシオン」と負のエネルギー!
■アクシオンが負のエネルギーを生む!?
アクシオンとは、「量子色力学」という素粒子物理学の一つの分野における、「強いCP問題」を解決するために欠かせない仮説上の素粒子である。小難しい単語が並んで非常にわかりくいが、つまりはその存在が確からしいと考えられている素粒子だ。
アクシオンは電磁波や重力に影響を受ける性質を持っており、特に強い磁場の中では光子へと変化すると予測されている。そのため、現在世界の研究機関は、太陽から飛来していると考えられているアクシオンに、強い磁場をかけて光子へと変換して検出しようとしている。
そのアクシオンは、宇宙で観測されるさまざまな事象からその存在が示唆されているダークマターの正体の有力候補のひとつでもある。そしてディモポウロス博士によれば、ダークマターの正体がアクシオンであったならば、ワームホールが実在している可能性があるということだ。なぜならこのアクシオンは、非常に強力な磁場の影響をうけた際には、負のエネルギー状態へと変化すると数理的に導かれたからである。
しかし、それほど強力な磁場を生む所がどこにあるのか。そこで登場するのが、活動銀河核である。通常の銀河と違い大量のエネルギーを放出して輝く銀河を活動銀河というが、そのほとんどは活動銀河核と呼ばれる中心部から放出されている。活動銀河核には巨大なブラックホールがあると考えられており、その周りには放出されたプラズマの影響で強い磁場が発生しているのだ。
つまり、活動銀河核のような強力な磁場を発生させるところでは、アクシオンが負のエネルギー状態となるため、ワームホールができている可能性が高いというわけだ。ディモポウロス博士は「文明が高度に発達した段階になれば、磁場を作り出してワームホールを発生させることも可能かもしれない」と話し、恒星間旅行への期待をふくらませている。
今回の研究は、あくまでも理論上の話である。ワームホールが存在するといわれてもすぐに受け入れることはできないだろう。ただ、地球の科学力はようやく重力波を検出した段階であり、現代のわれわれの想像を超えるような宇宙の仕組みがあったとしても、なんら不思議はないことは確かだ。
(文=ヒラガ35世)
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2024.10.02 20:00心霊宇宙はすでにワームホールだらけ?謎を解く鍵を握る物質「アクシオン」と負のエネルギー!のページです。ダークマター、ブラックホール、ワームホール、アクシオン、カシミール効果、活動銀河核などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで