宇宙はすでにワームホールだらけ!? 謎を解く鍵を握る物質「アクシオン」と負のエネルギー!

0505wh.jpg画像は「Youtube」より引用

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月28日、通信が途絶えて制御不能となっていたX線天文衛星「ひとみ」の復旧を断念したことを発表した。その「ひとみ」がトラブルを起こす前に行った最後のアクションは、「活動銀河核」と呼ばれる天体の観測のための姿勢変更運用であった。

 ひときわ明るい光を放つ活動銀河核からは膨大なエネルギーが放出されているのだが、その特殊な環境が今注目を浴び始めている。先月18日、学術誌に掲載される論文をいち早く公開するプレプリントサーバサイト「arXiv」で公開された論文によると、この活動銀河核に「ワームホール」生成の鍵が隠されているらしいのだ。


■ワームホールの生成には負のエネルギーが必要

 論文を発表したのは、ランカスター大学で物理学の研究を行っているコンスタンティノス・ディモポウロス博士だ。彼によると、宇宙にあまねく存在しているとされる謎の物質「ダークマター(暗黒物質)」の正体が「アクシオン」という仮説上の素粒子であるならば、活動銀河核の周辺にワームホールが存在する可能性があるのだという。

 SF作品にもよく登場するワームホール、これは離れた2つの場所を結びつけるトンネルのようなものだ。所詮SFに出てくる夢の技術でしょ……と思ってしまいそうだが、意外なことに、そう現実離れした話ではないらしい。実は、ヒット映画「インターステラー」(2014年)の科学考証も担当した、理論物理学者キップ・ソーン氏らの研究者が、ワームホールが存在しうることをすでに理論的に導き出しているのだ。

 その研究によれば、「負のエネルギー」があるところでは、離れた空間にある2つの場所が同時に1つの場所に存在しうるということだ。任意の場所にワームホールを作る方法や、どのようにそこを通り抜けるのかという問題は残るが、ワームホールの存在を理論的に示したことは間違いない。ただ、負のエネルギーの存在が前提となっているのでは実現可能性はやはり低いようにも思える。

 しかし、実際に負のエネルギーと呼ばれるものは存在している。例えば、真空中に2枚の金属板をわずかに離して設置すると互いに引き合う、「カシミール効果」という物理現象がある。これは金属板の内外にある真空のエネルギー差によって生じるものであり、そのエネルギーは負の値を示すのである。

 そしてもうひとつ、ディモポウロス博士が負のエネルギーを生み出すのではないかと着目しているのが、アクシオンという素粒子だ。

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ