消毒なしの手術、段ボールのベッド、這いまわるネズミ… 無政府状態ベネズエラの病院は“地獄”だった!
ラテンアメリカの独立運動指導者シモン・ボリバルは、かつて「ラテンアメリカの政情は独裁か無政府状態しかないのではないか」と危惧した。社会主義国家であるベネズエラは、今まさしく無政府状態で、経済は崩壊の瀬戸際だ。
■経済緊急事態が宣言される
ベネズエラは現在、世界一高いインフレ率、電力不足、食料と日用品の供給不足などにより、国民の生活は疲弊しきっている。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、首都カラカスでは電気の使用時間が政府によって制限され停電が慢性化し、ショッピングセンターやスーパーは真っ暗だという。その中でも特に深刻なのは、病院で使用する医薬品が不足していることだ。注射器、注射針、抗生物質、医療機器を動かす電力さえも不足しており、またX線、マモグラフィー、エコーなどを実施するための医療備品も不足している。
ベネズエラの経済は石油に完全依存しており、輸出収入の96%が石油である。また貧富の差が非常に大きく、ごく一部の層に富が集中し、国内には貧困層が多数存在する。農牧業の生産性は低く、国内産業も発達していないため、食料品を含む生活必需品の多くを輸入に頼っている。
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ベネズエラは反米国として知られているが、米国の影響下にあるIMFや世銀からは資金調達ができなくなっている。そしてついに今年1月、マドゥロ大統領は経済緊急事態を宣言した。
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