やはり携帯電話はガン発症リスクを高めると判明! 米政府が発表した電磁波の“真の影響”とは?


■妊娠、精子、物議をかもす携帯電波

 我々が浴びている電磁波は携帯電話から直接出ているものだけではない。日本ではその普及が遅れているが、海外ではフリーのWi-Fiが飛び交っているし、デジタル放送に伴って各基地局やさまざまな電磁波で溢れている。今回NIHが発表した結果とは異なるデータは今までに実際いくつも存在している。

 たとえばオックスフォード大学も参加したイギリスの携帯通信健康調査では、政府と通信業界の協力を得て約23億円の費用をかけて11年に及ぶ調査の結果、携帯電話と基地局および各無線通信機器から生じる電磁波は、ガンの原因にならないことが示されたのである。そしてまた、携帯電話の基地局に近いところの住人は電磁波による健康被害があり、子どもは小児白血病や脳腫瘍、中枢神経系腫瘍になりやすいとの説がささやかれてきたが、それらも根も葉もない噂だということが明らかになっている。

 しかし男性諸氏には酷な調査結果も出されている。イギリス、エクセター大学の研究では携帯電話からの電磁波によって精子の9パーセントが減少したというのだ。同研究では携帯電話を恒常的にズボンのポケットに入れている場合、最大で30パーセントの精子が減少するという実験結果から、携帯電話は鞄に入れたほうがいいと警鐘を鳴らしている。

 さまざまな意見があるなか、NIHの研究チームは「一貫して言えることは、携帯電話の電磁波がなんらかの影響を人体に与えており、そのメカニズムの全てが解明されているわけではないということです。今後、より多くの人が携帯電話を使うでしょうし、無線ネットワークにより電磁波を浴びる機会は急増するでしょう。多くの人に被害が出始めてから処置を講じるようでは遅いのです。我々は今回暫定的に研究結果を発表しましたが、早急にこの問題を解決せねば、我々の孫の代にまでこのツケを払わせることになるでしょう。脳腫瘍が現時点で多く発生していないからといって、それが携帯電話の安全性の証明にはならないのです」と、激しく警告している。

 電磁波問題は過去の話のように感じていたが、これからの課題なのだと再認識させられた。昨日家から数歩でたところで携帯電話を落とし、仕方なくiPhoneを買ってきた筆者であるが、これも電磁波の影響なのかもしれない。

(アナザー茂)


参考:「TIME」、「THE WALL STREET JOURNAL」、ほか

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