「コードネームはトライゴンだった」CIAの“ママさんスパイ”が過去の驚愕ミッションを暴露!
スパイ活動の機密情報にかかわる部分について、マーサは多くは語ることはしないが、彼女が2人の自分の子どもに自分がCIAのスパイであることを打ち明けた日のことは、彼女にとって非常に重要な一日であったと回想している。
彼女は、息子タイラーと娘ローラがそれぞれ17歳、15歳になるまで自分がスパイであることを秘密にしていた。スパイとしての潜入活動はとっくに終了し、バージニア州マクリーンにあるCIA支局での内勤であったにもかかわらず、彼女は子どもたちに自分がスパイであることを話したことで、さまざまな情報が表面化してしまう危険を避け続けていたわけである。
■ティーンになった子どもたちに“秘密”を打ち明ける
とはいえ、子どもたちに隠し続けていることも、家族関係に問題が生じる可能性がある。悩んだマーサは、同僚の勧めもあって、イースター前の金曜日に打ち明ける決心をする。学校も休みで、子どもたちに何も予定が入っていないこの金曜日を狙い、出先から娘のローラに電話をかけ、兄のタイラーも一緒にロイ・ロジャーズ(アメリカのファストフードチェーン)で一緒にランチをしようと誘った。
約束の15分前には駐車場に着いていたマーサを見つけた子どもたちが車に乗り込んだところで、何から話していいか悩んでいたマーサは唐突に、「私はCIAで働いているのよ」と切り出した。息子の最初の反応は、「それじゃスパイなんだね」であった。
これが、3人に笑いをもたらし、その後の話がスムーズに進んだという。ロイ・ロジャーズでのランチを中断し、CIAの支局のカフェテリアでランチをとることになった3人は、支局に移動し、マーサのIDチェックと3人の厳重なボディチェックの後にロビーに入ることができた。
CIA支局に掲げられている殉職者名が刻まれている星型のモニュメントの前に立ち、彼女は子どもたちの父親が実は2人目の夫であったこと、最初の夫は、この星のなかに“ある”こと、モスクワでスパイ活動をしていたことなど、初めて本当の自分のことを語ったという。
現在、テロ対策の任務にあたっている彼女は、こう言っている。「私の仕事は、事務的なルーチンワークワークから、国家の安全にかかわるものまで多様に及んでいる。私は自分の仕事に誇りをもっているし、引退する時も満足感をもって退くことでしょう」
スパイは自分をひたすら隠し続けなければならない運命にある。家族であろうと、誰であろうと、本当の自分を安心して見せることはできないのかもしれない。人間として、女性としてのスパイの心の奥を、少しだけ垣間見るようなレポートである。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」、「CNN」ほか
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