2135年、遂に小惑星“ベンヌ”が地球に衝突する?「世界的大惨事になる」(教授)
■探査船「オシリス・レックス」を緊急打ち上げ
NASAは、このベンヌに対して今年の9月にオシリス・レックス(OSIRIS REx)と呼ばれる探査船を打ち上げる予定で、それは「はやぶさ」が小惑星イトカワに対して行った調査のように、ベンヌのサンプルを採取して地球に帰還することを目的としている。
オシリス・レックスのベンヌへの到着予定は2018年、地球への帰還は2023年を予定している。ローレッタ教授によれば、ベンヌのような炭素系小惑星は、初期の太陽系の有機分子が古代遺跡のように残されており、地球に生命を出現させた原子スープに影響を及ぼしていた可能性もあるとも考えられるとのことである。
また、このオシリス・レックスのもう一つの重要な調査の目的は、ヤルコフスキー効果と呼ばれる天体の熱による軌道への影響の調査である。この力の影響で、実際にベンヌの軌道は1999年から160キロもシフトしていることが知られている。ローレッタ教授は、「我々は今後のために、サイズ、質量、組成など、ベンヌについてすべてを知る必要があり、それは非常に重要なことである」と語る。
もし、ベンヌが地球と衝突する可能性が高まってきた場合の対応策などは、まだまだこれからの課題になるであろうが、1910年にハレー彗星が接近した時に世界がパニックに陥った100年前とは、分析力も、科学的対応力も格段に上がっている。遅れてきた恐怖の大王とまではいわないが、1999年に来るはずだったノストラダムスの予言が136年ずれていました、などとならないことを祈りつつ、衝突の予測が外れるか、科学の力でなんとかなることを願っている。
(文=高夏五道)
参考:「Disclose.tv」、「NatureWorld News」ほか
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