エドガー・アラン・ポーがタイムトラベラーだったことを示す3つの根拠とは? 偶然の一致にしては当たりすぎていた!

●宇宙を説明する“ビッグバン理論”を先取り

エドガー・アラン・ポーがタイムトラベラーだったことを示す3つの根拠とは? 偶然の一致にしては当たりすぎていた!の画像3『ユリイカ 散文詩(Eureka: A Prose Poem)』 画像は「Wikipedia」より

 ポーが獲得していた知見は、脳科学や精神医学にとどまらないようだ。ポーはなんと宇宙物理学のビッグバン理論を知っていたというのである。

 ポーの1848年の著作『ユリイカ 散文詩(Eureka: A Prose Poem)』には「物質的宇宙ならびに精神的宇宙についての論考」という副題がつけられており、神や宇宙を考察したある種の哲学書である。150ページにも及ぶ同作は、ポーの執筆活動の集大成ともいわれ、事実この後不慮の死を遂げたことでポーの遺作ともなった。

 文学作品としてみなされてはいるのだが、現在の宇宙物理学を先取りしたかのような知見と認識を随所に見出すことができるといわれている。特に宇宙の成り立ちを説明するビッグバン理論の認識に到達していたといわれ、1823年に出題された宇宙論的な問いである「オルバースのパラドックス」に、はじめて説得力のある解答をもたらしたといわれている。

 イタリアの天文学者、アルベルト・カッピ氏は、当時の学問の状況の中でポーが卓越した宇宙観を持っていたことを驚きをもって解説している。

「ポーがダイナミックな宇宙生成論(ビッグバン理論)の認識に到達していたことには驚くばかりです。ポーの時代には誰一人、“動的な宇宙”を考えていませんでしたから」(アルベルト・カッピ氏)

 決して科学者などではなく、生涯を通じて“文系”であったポーだが、このように未来を先取りする科学的知識を持っていたと思われるエピソードが次々明らかになっている。はたしてポーの正体やいかに? Kindleなどでは無料の邦訳版が充実しているエドガー・アラン・ポーの著作だけに、この機会にいろいろ読んでみてもよさそうだ。
(文=仲田しんじ)

参考:「Upworthy」ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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