実はナチスが撮影していた「世界初・宇宙から見た地球の写真」が美しすぎる!
ナチスが戦時中、いろいろと奇妙な科学実験を行っていたことは広く知られている。しかし初めて地球の写真を宇宙から撮影することに成功したのが、ナチスの開発したロケットだったことはあまり知られていない。
■宇宙から撮られた初の地球の写真
この写真は1946年10月24日に米ニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場から発射された米陸軍ロケットに搭載されたカメラで撮影されたものである。
この「V-2ロケット」に搭載されたカメラは、墜落時の保護のためにスチール製のケースで覆われていた。これは初の試みであり、この実験に携わった兵士とエンジニアたちは、墜落したロケットからカメラのフィルムを首尾よく回収した時は大喜びだった。その後、彼らはそのフィルムをスクリーンに映してみたが、そこに映っていたものに科学者たちはまさに狂喜乱舞したという。
地上104キロメートル上空から撮影された白黒の画像は、地球の湾曲やアメリカ南西部を覆う雲の流れを明確にとらえていた。
■V-2ロケットの歴史
V-2ロケットは当初、宇宙旅行を目的に開発されていた。しかし第二次大戦中にヒトラーが兵器として使用することを思いつき、悪名高いロケット兵器として製造されたのだ。
ロケットの設計者の一人はドイツのロケット工学者、ヘルマン・オーベルトだと考えられている。V-2ロケットの「V」は、「Vergeltungswaffe(ドイツ語で報復)」の意味で、ナチスの宣伝大臣ゲッペルスが「報復兵器」の意味を込めて命名した。
V-2ロケット第1号は1944年に発射されたものだ。その後ヒトラーは、約3000発以上ものV-2ロケットを実戦で発射し、英国、ベルギー、そしてフランスに爆撃を仕掛けた。
第二次大戦が終わり、降伏したドイツのロケット科学者のチームは密かにアメリカに連行され、米軍の宇宙計画を手伝った。彼らは宇宙開発と軍事防衛のためにV-2ロケットの開発を進め、それが宇宙から撮影された初の地球の写真につながったのだ。
その後今日まで、宇宙船は多くの地球の画像を撮影し続けている。
1990年2月14日、米国の宇宙船ボイジャー1号は太陽系を背にし、初めて海王星を越した位置から地球の写真を撮った。この「Pale Blue Dot(淡い水玉)」と名付けられた写真は、約60億キロメートルのかなたからボイジャー1号によって撮影されたものだ。
今年6月には国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の英国人宇宙飛行士ティム・ピークが、地球への帰還準備中、地球から400キロ離れた上空から美しい北極光の写真の撮影に成功した。
V-2ロケットは当初の目的とは異なり、戦争中には兵器として使用され多くの人命を奪った。しかしその後、再び研究目的に使用され、地上の我々が決して目にすることのできない壮大なスケールの情景を届けることで歴史的な役目を果たした。このロケットの歴史を知ると怖いのはその物体そのものではなく、それを使う人間だということを思い知らされる。
(文=三橋ココ)
参考:「Daily Mail」、ほか
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