ネットニュースのバズる記事、脳は予見できていた! シェアされる3つの重要ポイントが科学的に判明
地球上では、1日に2000億のEメールと40億のFacebookメッセージ、5億のツイートが飛び交っている。その中のいくつかがシェアされては瞬く間に拡散され、“バズる”という現象を生み出す。
■記事をシェアしたいと感じた時には、脳の3つの部位が活発になる
キャッチーなコピー、まさに旬のネタ、アップされた写真や動画が一見の価値あり……などなど、ネットの記事が話題になるかどうかは、純粋に“時の運”のように思える。だが、最新の科学研究によれば、人間の脳はウェブ記事を読んでいる段階ですでに、それがバズるかバズらないかを瞬時に識別しているというのだ。
科学誌「Popular Science」(3月2日付)が発表した「米国科学アカデミー紀要 Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」の論文は、実に興味深い。
「我々は、ネットユーザーの脳の活動をモニターすることで『なぜ、記事Aは記事Bよりも拡散されやすいか』の解明を試みました」と話すのは、論文の著者である米・ペンシルベニア大学博士課程のクリスティン・ショルツ博士だ。
実験は2度実施され、総勢80名の被験者が参加した。彼らには「New York Times」の健康欄に掲載された記事の見出しと要約(全80項目)に目を通してもらい、どの記事を何十パーセントの割合でSNSにシェアしたいかを見極めてもらった。そして、実験の間中、機能MRIで被験者の脳活動はモニターされたという。
すると、被験者が記事をシェアしたいと感じたときは、脳の中でも「価値感」「自己意識」「社会認識」を司る3つの部位が活発な動きをすることが観測される結果となった。
■記事をシェアすることは他人からどう見られたいかを反映している
同大学ウォートンスクールでマーケティングを教えるヨナ・バーガー教授は、著書『Contagious: Why Things Catch On(伝染:なぜ、それらは流行るのか)』の中で次のように述べている。
「人は自分が気持ちよくなったり、怒りを感じる記事をシェアしたがることがわかりました。また、その記事を他人とシェアすることにより、自分が賢く見える、クールに見える、または社会的ステータスの格上げや保持、セルフイメージの強化といった実益があるものを選びます」(ヨナ・バーガー教授)
つまり、記事をシェアするという行為には、「たぶん、友だちはコレが気に入るだろうし、もし自分がコレをシェアしたら、イケてると思ってもらえる」という自分が何者であるか、他人からどう見られたいかという無意識の価値体系が隠されており、我々の脳にはどの記事をシェアすればバズりそうかを予見する能力があるというのだ。
今回の研究は、神経系の実験データを「消費者は何を欲しがっているか」を知るための画期的なマーケティングツールとして実用化する可能性も示唆している。そのうち、次のトレンドを知りたいならMRIの設備投資から、なんていうご時世になるかもしれない。
(文=佐藤Kay)
参考:「Popular Science」、「Discover」、ほか
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