「生きているようなミイラ」5選! 表情がヤバい
泥炭地で発見された「生きているようなミイラ」5選! 4000年前の人間が“苦悶の表情で”今そこにいる不思議
ヨーロッパ各地に残る泥炭地は低温・低酸素、さらに強い酸性という特徴から、有機物の保存に最も適した場所だという。これらの要素が皮膚の分解を妨げるため、泥炭地が広がるアイルランド、英国、ドイツ、デンマークなどでは、驚くほど保存状態が良好なミイラが発見されている。今回は、それらの中でもとりわけ印象深いミイラを5体、厳選してお伝えしよう。
■トーロンマン
1950年5月、デンマークのトーロン湿地で紀元前4世紀(今から約2,400年前)の世界を生きた男性のミイラ化遺体が発見された。「トーロンマン」と名づけられたそのミイラは、発見者が最近殺されたものと見間違えるほどに完璧な保存状態だったという。顔には無精髭が生え、皮膚や内臓は無傷の状態で、胃袋の中には残留物まで確認できたそうだ。残念ながら1950年にはミイラの保存技術が十分発達しておらず、頭部以外はレプリカを使用し現在はデンマークの「シルケボー博物館」で展示されている。
■カシェルマン
泥炭地で発見された世界最古のミイラ化遺体は「カシェルマン」だ。2011年にアイルランドのカシェルで発見された遺体は、約4,000年以上も前に死亡した男性であることが判明した。また、遺体の男性は生前アイルランドの王であった可能性もあるとされている。発見時の遺体の状態は無残なもので、手足が切断され、背中には剣による刺し傷もあった。傷口の箇所から、男性は自らの身を守ろうとしていたのではないかと推測されている。
■グラウベールマン
また、1952年にはデンマークのグラウベール村でも、「グラウベールマン」と名づけられたミイラ化した男性の遺体が見つかっている。発見当時の遺体の状態は奇妙なもので、紀元前55年頃に死亡したとは思えないほど、赤毛の髪や爪は完全に原形を留めており、体が青銅色に輝いていたという。またグラウベールマンの手からは指紋も採取することが可能だった。ここまで完璧な保存状態には、細菌の増殖を抑制し、アルデヒドなどの有機酸を大量に含んだ、泥炭地の水でなければ成し得なかったという。
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