アブダクション体験の“拉致された状態”を科学で解き明かす! 「ローブ感度」と「睡眠まひ」が関係か?
■金縛りと磁場の影響も
進展する研究は、神経心理学を通じて、肉体から誘拐を説明することも可能とした。
説明を行うにあたって重要となるのが、“睡眠まひ”の症状だ。
睡眠まひとは、睡眠と目覚めの段階を通過する際に生じる、意識はあるが体が動かない状態、すなわち「金縛り」の状態である。誘拐を経験した人物の証言は、睡眠まひの症状を共有している。
宇宙人の存在に懐疑的だったマイケル・シャーマー氏は、83時間に及ぶ自転車レースの後、睡眠不足の影響でその場に倒れこんだ。彼は夢の中で目を覚ます感覚に陥り、1960年代テレビドラマ『インベーダー』が頭をよぎったことで、駆け付けるサポートチームを宇宙人として認識したという。
さらに、一部の人の脳の側頭葉が低レベルの磁気周波数の影響を受けやすくなる“時間的ローブ感度”も、誘拐の事実を否定する一助となるだろう。
カナダのローレンシャン大学に所属する神経科学者、マイケル・パーシンガー氏は、側頭葉活動の増加によって超常現象を説明できると考えている。パーシンガー氏の理論によれば、これまで報告されてきたような体験は、磁場が側頭葉を刺激することにより生じた幻覚なのである。
■謎は残される
人格の特性と誤認された記憶への感受性から、睡眠まひの症状から、あるいは磁場の影響から……。紹介してきたこれらの仮説は、どれも宇宙人という存在に頼ることなく、誘拐の真相に迫るものだ。いずれも相応の説得力を有しており、誘拐の事実を信じて証言をする人々は「うそつき」として苦境へ追いやられたようにも思える。
しかし、報告された誘拐事件のすべてが、これらの考察によって容易に説明できるというわけではない。ちまたにあふれる報告の中に、千に一つ、万に一つ、本物の宇宙人が関わっているケースがあるとしたら……? 少なくとも、今日の科学でその可能性を否定することはできないのである。
(文=Forest)
参考:「Daily Mail」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊アブダクション体験の“拉致された状態”を科学で解き明かす! 「ローブ感度」と「睡眠まひ」が関係か?のページです。宇宙人、UFO、拉致、アブダクション、記憶、脳、Forest、睡眠まひなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで