NASAが困惑「火星で謎すぎるクレーター」が発見される! 秘密地下基地への出入り口か?UFO着陸痕か!?
今こうしている間にも、月や火星にある探査機や観測衛星が撮影した画像が次々とNASAに送り届けられている。先日、NASAみずから“不可解”であるとして公開した、火星の地表をとらえた画像が話題だ。
■謎を呼ぶ火星のクレーター
火星の地表を駆け回っているキュリオシティなどの火星探査車両の活躍の一方で、周回軌道から火星を調査・探索しているのがMRO(マーズ・リコネッサンス・オービター)だ。
2006年3月から今現在も火星の周回軌道を回っているMROには3つのカメラが搭載されており、1年でおよそ5000枚の画像を撮影して地球に送信しているといわれている。3台のカメラの中でも、特に高性能なのか口径50cmの反射望遠鏡を備えたHiRISE(High Resolution Imaging Science Experiment)だ。300km上空の周回軌道からHiRISEで火星地表をとらえて再構成された画像は地上30cmの構造を正確に把握しているという。
そしてMROのこのHiRISEで撮影された1枚の画像が先日NASAのサイトで公開された。カメラがとらえた火星の地表には円形のクレーター状のものが写っているのだが、NASAにも不可解なところがあるという。いったい何が問題なのか?
そもそもこうしたクレーター状の地形は火星にはありふれて存在するものである。その多くは隕石が衝突したインパクトで形成される衝突火口(impact crater)と呼ばれるものだ。大気密度が希薄な火星では、宇宙空間から飛んできた隕石や小惑星が地球とは比較にならないほど簡単に地表へと衝突しているのだ。特に珍しくもない火星地表のクレーターだが、NASAはいったい何を訝しんでいるのか?
■地下基地への出入り口なのか?
地球の北極と南極が氷で覆われているように、火星の北極と南極もまた氷河で覆われていて、それぞれ「北極冠」、「南極冠」と呼ばれている。そしてこの問題の写真は実は「南極冠」で撮影されたものだったのだ。
「氷河のエリアにできたクレーターは時間が経つと共に変化して平らになるので、(写真のクレーターが)隕石の衝突によるものであると断言することはできません」(NASAのウェブサイトより)
南極近くでこのようにクッキリとしたクレーターを発見するのはきわめて珍しいということになる。「おそらくは衝突が原因の成形物である」と言及しているNASAだが、厳密には確信を持って言い切れないのだ。ではもし衝突火口でないとすればどんなケースが考えられるのか?
この話題を取りあげた「CNET」の記事では、いくつかの夢のある(!?)可能性を指摘している。
・UFOの着陸によって形成されたものではないか?
・地下基地への出入り口ではないのか?
・南極の特異な地形ではないか?
比較的最近に衝突してまだあまり変化していない衝突火口である可能性が最も高そうではあるのだが、いろんな憶測を呼ぶ話題をNASAのほうから提供しているのは少し興味深い。ひょっとして意外な展開を見せる可能性もあり気に留めておきたい話題である。
(文=仲田しんじ)
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