【奇病】 野菜しか食べてなくても急激に太る病「ローハド/ROHHAD」―7歳息子は何かがおかしい
季節は春らんまんだ。やっと分厚いコートにサヨナラだ。しかし同時に「ダイエット」という文字が、頭にちらつく方も多いのではないだろうか……。今回ご紹介する少年は、単に自分の外見をよくするためにダイエットに励んでいるのではない。彼は野菜を食べても太り続ける身体なのだ。
■急に太りはじめる奇病「ROHHAD」とは?
南ヨーロッパに位置するマルタ島に住む7歳のジェイク・ベラ君は、「ROHHAD(Rapid-onset Obesity, Hypoventilation, Hypothalamic and Autonomic Dysfunction)」という病気に罹っている。
これは、肥満、そして呼吸やホルモンの障害に加え、体温、発汗、心拍、血圧変化等の自動調節機能に障害を持つ非常に稀な病気だ。患者は1歳半から7歳の間にROHHADの症状が急激に出現するが、最も多い症状は劇的および急速な体重増加と過食症、そして呼吸異常である。ROHHADは1965年に初めて病気として記録されたが、その時以来わずか75人の子どもが患者として報告されている。
ジェイク君は4歳になった時、わずか半年間で9キログラムも体重が増えてしまった。その時、両親は何かがおかしいと気づいたという。両親はジェイク君にサラダだけを与えたが、それでも彼の体重は増え続けたのだ。
2015年にジェイク君は、神経系に影響を及ぼし、急速な体重増加と体温調節や身体内の水分の調節ができなくなるROHHADと診断された。ROHHADは腫瘍を発症させることがあるが、ジェイク君も背中に腫瘍ができている。残念ながら、この病気は現在治癒不可能であり、患者の平均余命は発症から5年から9年以内といわれている。
体重増加はこの疾患を悪化させ、呼吸困難につながり命の危険に直結する。そのためジェイク君は、少しでも体重増加を抑えるためにトライアスロンに挑戦した。彼の母親のマルスカさんは、「トライアスロンは彼の健康に良く、また他の子どもたちと付き合う機会も与えてくれます」と言う。ジェイク君はマルタユーストライアスロン協会で週に3回トレーニングをしているが、その仲間は本当にジェイク君の第二の家族のようである。
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