ここで、櫛野が東京で初めてキュレーションを手掛けた展示会『空想キングダム』もみていこう。
今回取り上げられた4人の作家は皆、クシノテラスで作品販売を行っており、東京での初展示の大きなポイントは実物の作品を観てもらうばかりでなく、それらの販売を通じての作家支援にもあった。
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ギャラリー・マルヒは木造建築の一軒家をそのままギャラリーにしており、玄関口の広い壁面を埋め尽くしているのは、小林伸一のマジックペンによるカラフルなドローイング。
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居間は長恵(ちょうめぐむ)のキャラ化した小太りな天使が描かれた段ボールの作品群。重い扉で仕切られた蔵の一室は創作仮面館館主の廃品を使った多数のマスク、空想的なドローイングですべての壁が覆われていた。