「創作仮面館館主は、仮面を作り続けて20年以上、いままでに2万点以上を制作してきたといいます。それらの仮面はゴミや廃材で作られているところも凄いんです。彼はもともと東京で美術家として活躍していた時期もあったそうですが、あるときに美術業界から疎外され、栃木県の那須高原に移り住み、創作仮面館を作ったんです。それも建物内を公開せず、人間不信に陥って、ひたすら仮面を量産し続けていました。また、今回展示されたドローイングは、目線があってない男の子と女の子が登場しますが、仮面館館主の説明によれば、彼らは人智を超えた存在なんだそうです。そんな彼も、今回の東京展示のため、自分で作品を搬入して展示作業も行ったんです。人間は嫌っていても、作品を通じて世の中と繋がりたい気持ちはあるんでしょうね」
仮面館館主は、櫛野にさえ、素顔も本名も明かしていない。それでも、櫛野がパイプ役となったからこそ実現した仮面作品の東京展示。その呪術的ともいえるパワーには圧倒される。