「かつて地球には宇宙人が住んでいた。火星と金星にも先住民」天文学者が、“人類は地球上で2度目の知的生命体”と本気で主張

■生命は隕石で運ばれた!? 「リソパンスペルミア説」とは

 火星の地中を調べることで文明を持った“先住民”の決定的な証拠が見つかるかもしれないというのは夢が膨らむ話だ。

 太古の昔に地球を含む太陽系の惑星で栄えていた“先住民”は太陽系外からきたとされているが、まさかUFOに乗ってやってきたのだろうか? 残念ながらそうではなく、ライト准教授は岩石パンスペルミア説(lithopanspermia)を支持しているようだ。

 岩石パンスペルミア説は微生物などが付着した隕石が惑星に飛来してくることで、その星に生命がもたらされるという説明である。もちろんその惑星が生物の生存に適さない環境であれば運ばれてきた生物は死滅するだけであるが、現在の地球のような環境であれば生物は繁殖して進化さえしはじめることになる。

 もし、現在の火星や金星に微生物が運ばれてもおそらく繁殖しないだろうが、かつては今の地球と同じように生物の生息に適した環境であったということだ。そして火星や金星が“死の星”に激変したことによって、残念ながら彼らも絶滅してしまったということになる。

「かつて地球には宇宙人が住んでいた。火星と金星にも先住民」天文学者が、人類は地球上で2度目の知的生命体と本気で主張の画像3 「Daily Mail」の記事より

 現在の地球は幸運ながら海と緑の大地に覆われているが、このライト准教授の説によれば火星や金星が“死の星”になったのと同じような壊滅的な何らかの激変に見舞われ、繁栄を遂げていた“先住民”が絶滅したことになる。今の地球はラッキー(!?)なことに自然を取り戻しているが、リソパンスペルミア説によれば我々人類も、もともとは太陽系外からやってきた微生物の子孫ということになる。つまり我々は地球上で2度目(あるいはそれ以上)の知的生命体なのだ。地球を舞台にした生命繁栄の物語はこれまでにも“上演”され、そして幕を閉じていたことになる。

 この先、なんとしてでも“先人”と同じ道をたどるかたちで絶滅することは避けたいものだが、それが人智ではどうにもならない地球規模の大災厄であるとするならばどうすることもできない。その意味でもやはり火星への移住計画は着実に推し進めなければならないのだろう。


参考:「Daily Mail」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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