8年間右脳だけで生きたハーバード大博士が激白「我々はエネルギーで繋がっていた」「ニルヴァーナを見た」
■右脳的世界は誰もが経験できる
テイラー女史はスピーチの最後に、人類が右脳にある深い内的平安の回路を生きるようになれば、世界に平和が広がるはずであると希望を語っている。だが、テイラー女史の場合は脳卒中によって強制的に左脳の機能がシャットダウンしたが、物理的に脳を損傷せずに同じ体験をすることはできるのだろうか? 人類学と仏教の知見から可能性を探ってみよう。
トカナでもご紹介した、縄文文化の高い精神性に着目した研究を展開する大島直行氏は、縄文人は卓越した右脳的世界を持っていたのではないかと指摘している。その際に注目しているのが縄文文化にも見られる「融即律」という、フランスの哲学者レヴィ=ブリュルが「未開民族」の心性を説明するために導入した概念であるが、これは別々のものを区別せずに同一視する心性の原理のことであり、明らかに自分とは異なる生物(たとえばインコなど)と同一だと認識する心的作用がそれにあたる。また、宗教学者の中沢新一氏も、主著『カイエ・ソバージュ』(講談社)で、物事を区別する心性である「非対称性思考」と、異なった物事に同質性を見出す「対称性思考」の2つの原理を提唱しているが、対称性思考も右脳的世界と近似の概念であるだろう。
また、テイラー女史がいみじくも右脳的世界を「ニルヴァーナ」と表現しているように、モノゴトを区別しない無分別は仏教の悟りの境地だとされている。そう考えると、古代人が実現していたかもしれない右脳的世界は、現代人も(脳卒中にならなくとも)経験できそうだ。さらに興味がある読者はテイラー女史の著書『奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき』(新潮文庫)を紐解いてみるのも良いだろう。
参考:「EWAO」、「Collective Evolution」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊8年間右脳だけで生きたハーバード大博士が激白「我々はエネルギーで繋がっていた」「ニルヴァーナを見た」のページです。右脳、脳、ニルヴァーナ、脳卒中、人類学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで