青い目の人間は、たった1人の共通祖先を持っていることが判明! 遺伝子HERC2の突然変異がもたらした神秘
世界中にいる青い瞳を持つ人々は皆、6000年ほど前に黒海周辺で暮らしていた、たった一人の人間の子孫であることが判明したという。英紙「Independent」の記事に反響が広がっている。
■瞳の色はどうやって決まるのか?
ご存じの通り、世界には日本でもおなじみの黒や茶色から青や緑など、さまざまな目の色をした人間がいる。目の色を決めるのはメラニン色素の割合といわれ、メラニンの量が多い順に、虹彩の色は黒、茶色、緑、青になる。
本来、人間の瞳の色はブラウンのみだったというが、ある突然変異が原因で青い目を持つ人々が生まれるようになった。それはHERC2という遺伝子上の、ほんの一塩基に生じた変異である。HERC2遺伝子は色素生産に関わるOCA2遺伝子の調整役を担っている。OCA2は目や毛髪、皮膚のメラニン生産に関わっていることで知られている。アルビノ(先天性白皮症)の原因となる遺伝子の一つでもある。
変異を持ったHERC2遺伝子はOCA2の働きを妨げ、虹彩にメラニンの黒い色素ができないようにし、瞳の色を青くする。ヨーロッパ系で青い瞳を持つ全ての人々は、このほんの一箇所の遺伝子変異を持っているという。
そして驚くべきことに、この変異は1万~6000年前に黒海周辺で生まれた、たった一人の人間に由来しているという。その人間こそ、青い瞳を持つ全ての人々の遠い遠い祖先なのだ。
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