石川竜一写真集『okinawan portraits 2012-2016』
TOCANAでこれまでも紹介してきた写真家・石川竜一さんの写真集、『okinawan portraits 2012-2016』は、第40回木村伊兵衛写真賞受賞作である『okinawan portraits 2010-2012』の続編にあたる。収められたイメージは268点と前作に勝るボリュームだ。
受賞をきっかけに広く写真家として認められるようになって以降、石川さんを取り巻く環境は目まぐるしく変わった。写真展や撮影の依頼仕事等々、海外を含む県外での活動が増えたこともあり、生まれ育った沖縄でじっくりと撮影をする時間は格段に少なくなった。そんななかにありながらも、石川さんは、時間を見つけては愛用のビッグスクーターで島内を走りまわり、ポートレートを撮り続けてきた。
この写真集が刊行されたのは昨年9月末なのだが、版元の赤々舎から出版のオファーを受けた際、石川さんには「沖縄県内で撮ったポートレートをまとめるのは今なのかもしれない」という思いがあったそうだ。
「もう少しじっくりやってもいいかな、という気はしていたんです。でも、今は仕事が忙しくなって沖縄で集中して撮れる環境ではないし、県外で撮ったポートレートと混ぜてまとめるとすればまだまだ時間がかかる。だから、沖縄でのポートレートとしてまとめるにはいいタイミングかなと思ったんです」(石川竜一氏)