ペッと吐きかけたツバで作動する「バクテリア電池」爆誕! 安価でシンプル構造、使い捨ても可能で革命的すぎる!

ペッと吐きかけたツバで作動する「バクテリア電池」爆誕! 安価でシンプル構造、使い捨ても可能で革命的すぎる!の画像2画像は「BinghamtonUniversity」より

 教授によれば、バクテリア細胞にフリーズドライ処理を施すことで、長期保存も可能であるという。

「この電池は砂漠のような、厳しい環境条件の下でも使用できます。みなさんが必要とするのは、凍結乾燥した細胞を水に戻し、活性化させるための有機物だけです」(チェ・ソクヒョン教授)

 使い捨て可能なバイオ電池として、実用化の展望は明るいが、いまだに課題も残されている。試作品が手裏剣のような形に組まれているのは、電力の密度を向上させるための工夫である。

 また、試作品には銅のテープや炭素繊維などの材料が含まれているため、ひとつあたり70セント(約80円)ほどの費用がかかる。バクテリアを含む核心部分はおよそ5セントの原価に過ぎないため、全てを紙でまかなうことができれば、著しく製造コストを引き下げることができる。

 問題の試作品は、ソクヒョン教授らが実に5年の年月を投じて完成にこぎ着けたものだが、彼のチームは2016年より、完全な紙製の電池の開発に取り掛かっているという。


■化石燃料との決別に向けて

 ここまで紹介したような電池の進化は、ソクヒョン教授の研究室にとどまらない。

 従来の3倍のエネルギーを充電できる電池や、人体へ埋め込み可能な柔軟さをもった電池など、既存の枠組みを飛び出すようなものが、時を同じくして実用化が目前となっている。これらの未知の性質を兼ね備えた電池は、単に便利なだけでなく、電力の浪費を控え、クリーンエネルギーを効率よく生活に取り入れることにも役立ってくれる。

 バッテリーの高容量化に後押しされ、電気自動車の急速な普及の兆しもみえてきた昨今。ごく一時的・簡易的な電力の発生源であった電池が、私たちの思いもよらない方向へと姿を変えることで、近い将来、化石燃料の棺桶に打ち込まれる最後の釘となるかもしれない。


参考:「Futurism」、「Business Insider」、「New Atlas」、より

文=Forest

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