目覚めると誰かが自分の胸に乗っている「インキュバス現象」の謎が解明! 突然死の可能性や悪魔とSEXした事例も!?(最新研究)
寝ている時にふと目覚めると、誰かが自分の胸に乗っている――。オカルト体験の一種として語られることが多い不可解でホラーな「インキュバス現象」の謎にサイエンスが迫っている。
■ホラー体験の「インキュバス現象」に科学が挑む
18世紀後半~19世紀前半にかけて活躍したロマン派の画家、ヨハン・ハインリヒ・フュースリの代表作のひとつ「ナイトメア」(1781年)は、ぐっすり眠っている女性の胸に小さな悪魔が乗っている不気味でホラーな絵画だ。
そして実際、昔から決して少なくない数の人々が「夜中に不意に目覚めると、自分の胸の上に誰かが馬乗りなっていて凄まじい恐怖を感じた」と訴える報告が残されており、そうしたホラーな“心霊現象”はこの絵にちなみ「インキュバス(悪夢)現象」と呼ばれている。
このインキュバス現象について、最近になって科学的な調査が行なわれている。オランダ・ライデン大学の研究チームは、過去の13の論文における計1800人もの症例を分析し、このインキュバス現象が現代でもこれまで考えられていた以上に広い地域でみられる現象であることを報告している。そして、精神科医はインキュバス現象を訴える患者の話をより真剣に聞き、治療に向けて取り組まなければならないとしている。
インキュバス現象に見舞われた患者は往々にして“襲われる”という表現を使うのだが、これは多くの場合、睡眠麻痺(sleep paralysis)を発症している間に起る現象だという。睡眠麻痺は睡眠フェイズの不調和に起因する症状で、入眠時と起床時に起きやすい。
睡眠のフェイズにおいて、眼球が激しく動くレム睡眠時に人は往々にして夢を見ており、全身の筋肉は完全に弛緩した状態である。このレム睡眠時に何らかの拍子で目覚めてしまった場合、全身の筋肉は完全にリラックスしている状態であるためすぐには身体を動かせず、いわゆる“金縛り”状態と認識される。そして、覚醒してもなお脳で夢を見ている場合、幻覚を起こす可能性があるのだ。
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