12年間口がきけないフリをしていたらマジで喋れなくなった男!謎すぎる人生とは? 天罰か、自然現象か?=中国

 オルタナティブ・ニュースサイト「Oddity Central」(2017年12月27日付)は、殺人の疑いで男を逮捕したところ、それまでの12年間口がきけないフリをしていたせいで、本当に喋れなくなってしまっていたと伝えている。


■親族内で殺人事件が勃発

 このありえないほどトホホな男の名は、ミスター・チャン。2005年のある日、ミスター・チャン(当時33歳)は家賃約8500円をめぐり、妻の叔父カオ氏と激しい口論となっていた。カッとした彼は、気がつけばカオ氏をメッタ刺ししていたという。

 殺人現場となった浙江省杭州のカオ氏宅を飛び出して、そのまま行方知れずに――。逮捕は時間の問題と思われたが、意外にも難航した。

 実はミスター・チャン、逃亡中にワン・グイという偽名を使って口のきけないホームレスになりきり、潜伏していたのだった。その後ほとぼりも醒めた頃、杭州から北へ700kmの安徽省にある小さな村へ落ち着くことに。ここでは工事現場などで働き、完璧な発話障がい者を装っていたらしい。

 しかも、善良な別人になりすましたおかげで、再婚して子どもまでもうけたというから恐れ入ってしまう。その上、新しい妻子の前でも一切言葉を発しなかったそうだ。

 だが、12年目にして天罰は下った。2017年1月、地元警察による世帯調査が始まったのだ。このとき、ミスター・チャンが身元を証明する書類を一切持っていないことに不審を感じた当局は、彼の血液を採取、DNA鑑定に持ち込んだ。すると、ワン・グイとは、12年前の殺人犯ミスター・チャンの正体であることが暴き出されたわけだ。


■12年間で声帯が退化

 殺人容疑で緊急逮捕となったが、警察はまもなく、この長期逃亡者の異変に気がついたという。

 なんと12年もの間、一切使われず脆弱化した彼の声帯は、完全に使い物にならなくなっていたのだ。そのため、ミスター・チャンの取り調べは、すべて筆談で行われた。

 警察が「どうしてしゃべられないフリをしたのか」尋ねると、「なるべくしゃべらないようにすれば、余計なことを口走らずに済むから」と、一筆。

 あまりのわかりやすさにグウの音も出ない。

 ミスター・チャンの声が再び蘇るかどうかは不明だ。だが、さほど重要ではないだろう。なにしろ12年前の殺人で有罪となれば、即刻死刑もありうるのだから……。


参考:「Oddity Central」、「Hong Kong Free Press」、ほか


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文=佐藤Kay

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