世界初・人間の「頭部移植手術」成功、その後…!頭部切断後に躰は動くのか?
■21世紀のフランケンシュタイン博士か?
カナベーロ医師が編み出した独自のセオリーは次の通りだ。患者2名の頭部を切断後、生存する方の頭部を胴体に接続。気管から食道、頸動脈、頸静脈、脊髄と縫い合わせ終了。あとは本人が目覚めて体を動かし、会話できるようになるまで回復するのを待つという。
また、カナベーロ医師は“接着剤”の役目をするという特殊新素材を使い、切断された脊椎間の隙間を埋めるよう軸索と神経細胞を成長させる方法を発見したと公表している。
だが、今回のカナベーロ医師の手術では、最大の焦点である「切断した脊髄を再結合して運動機能を復元させる」具体的エビデンスが明示されていない。これでは、単なる解剖学の演習をしただけと判断されても仕方ないのではないか。
また、カナベーロ医師の最終目標は、脳移植による寿命の延長だという。つまり、年を取ったら、自分の脳を若い肉体に取り付けて寿命を伸ばすのが狙いなのだ。だが、この場合の“若い肉体”とは、誰から供給されるのだろうか。ここまでくると、ノーベル作家カズオ・イシグロの小説『わたしを離さないで』(ハヤカワ文庫)を現実世界に描こうとしているかのようで薄ら寒くなってくる。
不可能を可能にしていくことの連続で、現代の医療は存在している。さりとて、頭部移植については100年先はわからないが、2018年現在では医療技術の問題以前に、やはり論理の飛躍という感じが否めない。21世紀のフランケンシュタイン博士は、天才なのか狂人なのか。世界は今、固唾をのんで見守っている。
参考:「Science Alert」、「Futurism」、「Telegraph」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊世界初・人間の「頭部移植手術」成功、その後…!頭部切断後に躰は動くのか?のページです。手術、医学、佐藤Kay、倫理、人体、頭部移植、生命などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで