【取材】20年以上“人間のマンダラ”を撮り続ける写真家・宇佐美雅浩!分断の地・キプロスを無限スケールの曼荼羅で表現!
■クソッタレな時代における宇佐美雅浩という写真家の意義
タイトル:エレナ・スピル 南側、マケドニティス墓地 2017。マケドニティス墓地は、1974年の紛争で命を失ったギリシャ人とギリシャ系キプロス人兵士を埋葬した軍人墓地。その場所で、花で作られたキプロスの地図の上に寝そべる赤ちゃん。各地の紛争により多くの人たちが犠牲になったあとも、それぞれの地域では新しい命が生まれ、未来は続く。
僕たちの生きる世界は分断・分裂の危機に瀕している。
中東の動乱に端を発したヨーロッパの移民問題、北朝鮮の問題、グローバル経済の進展により世界中で深刻化している格差の問題等々、問題は山積みだ。
それなのに、本来は問題解決の役割を担うはずの政治は機能せず、経済には期待できず、言論は語るべき言葉を見失っている。そんな現状の下で、僕たちの目の前の現実を認識、把握させマインドセットを変えるのに必要な新たな視点を提供し、これまでに複雑なしがらみを超えて、今後進むべきビジョンを提示できるのは、写真を含むアートだけなのかもしれないと思う。
こんなクソな時代に、自身の持てるリソースを最大限投入し、この負荷の大きな作業に全身全霊で取り組む宇佐美雅浩という写真家が現れたのは、今を生きる僕らにとって1つの福音なのかもしれない。
『Manda-la in Cyprus』は宇佐美さんを知る絶好の機会だ。展示は今週土曜日まで。ぜひ、足を運んでみてください。
■作家インフォ
宇佐美雅浩(うさみ・まさひろ)
1972年千葉県千葉市生まれ。1997年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。 様々な地域や立場におかれた人々とその人物の世界を表現するものや人々を周囲に配置し、仏教絵画の曼荼羅のごとく1枚の写真に収める「Manda-la」プロジェクトを大学在学中から20年以上続けている。主な個展に、2017年「PAFOS2017」(キプロス)、「広島アートスポット Vol.4 宇佐美雅浩」(旧日本銀行広島支店、広島)、2016年「ART PHOTO TOKYO -edition zero-」(ミヅマアートギャラリーブース、茅場町共同ビル、東京)、2015年「Manda-la」(ミヅマアートギャラリー、東京)、主なグループ展に2017年「黄金町バザール」(黄金町エリア、神奈川)、「ART JOG 10」(ジョグジャカルタ国立博物館、インドネシア)、「東京国際写真祭」(上野恩賜公園、東京)、2016年「大邱フォトビエンナーレ」(Daegu Culture & Arts Center、韓国)、2015年「広島・長崎被爆70周年 戦争と平和展」(広島県立美術館)がある。
・http://www.usamimasahiro.com/
■写真展インフォ
宇佐美雅浩展『Manda-la in Cyprus』
期間:2018年2月21日〜3月24日
開館時間: 11:00〜19:00
休廊日:日曜、月曜、祝日
会場:ミヅマアートギャラリー
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
TEL:03-3268-2500
・http://mizuma-art.co.jp
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