故ホーキング博士の“最期の論文”がヤバすぎる! この宇宙は滅亡(無)に向かって動き出していたことが判明!
■「ビッグバン以前には時間は存在しない」
膨張を続ける宇宙もあれば、ビッグバン以前の“無”に向かっている宇宙もあるというのは、水面に浮き上がってきては消える泡沫(うたかた)の様相に似た世界観といえそうだが、この“最後の論文”ではビッグバンによって形成された宇宙のそうした“営み”を科学的に実証でき得ることが指摘されていて興味深い。
そしてホーキング博士によれば、時間はビッグバンによる宇宙の膨張の“副産物”であり、ビッグバン以前には時間は存在しないということだ。
「ビッグバン以前の出来事は観察できないので、おそらく考慮から除外できるものであり、時間はビッグバンから始まったと言えるでしょう。つまるところビッグバン以前は出来事として何が起こっていたのかを測定する方法がないため定義できないのです」(スティーヴン・ホーキング博士)
理論物理学者としてさまざまな思考実験を続けてきたホーキング博士だが、ここ最近は自説の理論を検証可能な領域に持ち込むことに尽力していたということだ。そして現在、ホーキング博士の“最後の論文”は科学界によって綿密な査読が行われている。
共同執筆者のハートグ博士は、ホーキング博士がノーベル賞に値する物理学者であったことを指摘しているが、実証が不可能に近い学問である理論物理学分野はノーベル賞の対象から外れやすいといわれている。しかしこの“最後の論文”がホーキング博士の理論の実証可能性を示していると科学界から認められれば、十分にノーベル賞の見込みも出てくるということだ。しかし、残念ながらホーキング博士はもういない。ノーベル賞は基本的に生前授与の賞であり、少なくとも推薦時には存命していなければならないのだ。
ともあれ、専門家以外に向けてわかりやすい言葉で斬新な宇宙論を語ってくれたホーキング博士の功績はあまりにも多大である。謹んでご冥福を祈りたい。
参考:「Daily Star」、ほか
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