錯視画でわかる「統合失調症判定テスト」がヤバい! 正解したら統合失調症の可能性…研究者が発表!
※問題(2)
●正答:1番上から時計回りに4番目が正解。患者でない人は7番目を選択しやすい。
これは「チャブ錯視」と呼ばれるもので、コントラストの高い模様の上に対象画像を置くと、その画像が実際より暗く見える目の錯覚である。
統合失調症の人はこの錯視テストを楽々とそして素早く判断し“処理”できる。この研究では統合失調症患者15人のうち12人は、コントラストを正確に知覚することができたという。患者でない人は、コントラストの高い背景によって惑わされ、実際より暗いグレーのものを選んでしまった。
■なぜ統合失調症患者は錯視に騙されないのか
錯視画を見ている時、人間の脳は前頭頭頂制御ネットワークと、目から情報を受け取る脳の視覚野の結びつきが強くなる。それによって予想する視覚が優勢になるように脳が処理し、実際には見えている視覚情報を圧倒すると研究者は考えている。
一方、統合失調症患者の場合は、脳にこのような結びつきが発生しないので、結果的に、画を見えるままの事実として受け入れるという。同様に、アルコールやドラッグを使用している人も、この錯視に引っかからないということだ。脳が見ているものと、見えると予想されるものとがうまく結びつかない状態が、これらを使用している人の脳でも引き起こされている可能性がある。
■治療への一歩
この興味深い発見は、統合失調症患者が感情情報を適切な文脈を用いて解釈することが難しいという仮説を証拠立てるものと捉えることができる。
前出のデイキン博士は、次のように説明する。
「通常、脳内の文脈的プロセスは、関連するものに焦点を当てるのに役立ちます。これは、私たちの脳が情報に圧倒されるのを阻止するためです。統合失調症の脳では、このプロセスが効果的に機能していないようです。おそらく、脳内の細胞が交互に切り替わるプロセスが原因である可能性があります」
多くの統合失調症者は他人の行動を誤って解釈し、被害妄想的な感情を持つことが多いが、その理由は感情情報の「文脈判断」「状況判断」にあるという。多くの研究者が、今回の彼らの研究が統合失調症診断上に大きな意味を持つと考えている。
錯視画が、このような研究目的に使用されているとは知らなかった。時としてわざと間違いを起こさせるのだから、人間の脳は微妙かつ精巧な機能を有する。しかし反対に「故障」が起きると「修理」が難しいのも人間の脳だ。この研究は、より客観的な統合失調症診断のための一歩になることだろう。
参考:「The Minds Journal」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊錯視画でわかる「統合失調症判定テスト」がヤバい! 正解したら統合失調症の可能性…研究者が発表!のページです。画像、統合失調症、錯視、絵、三橋ココ、診断テストなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで