「ネアンデルタール人の蘇生」をハーバード大が計画! 代理母に産ませて誕生、現代人と対面へ!
■物議を醸す生命倫理の問題
だが果たしてネアンデルタール人のクローンを作ることは、倫理的、人道的にクリアしているのだろうか? テクノロジーと生命科学の進歩によって出生や死への人為的介入が可能になった現代では、新しい倫理的諸問題が多く山積みされている。
6500万年前に地球上から姿を消した恐竜や、旧人類であるネアンデルタール人のクローンを生み出すことは、科学者の知的探求以外にそもそも科学的に何の意味があるのか。
一方では、ネアンデルタール人と現代人の生物学的な差異が明らかになることで、この2つの種が分岐した進化の歴史をより理解できる可能性や、現代病に関する新たな洞察が得られる、との指摘する声もあり、生命倫理学者や人類学者、生物学者らなど、さまざまな分野の専門家を巻き込み、大きな議論となっている。
米ニューヨーク市立大学で教鞭を執る、日系三世の有名な理論物理学者ミチオ・カク博士はこの件について、こう言及している。
「もしネアンデルタール人の子どもを生き返らせたとしたら、社会はどう対応していけば良いのか? 動物園にいる動物のように監禁して研究対象にし続けるのか。非常に攻撃的な気性を持っていた場合は薬物を投与してコントロール下に置くのか」(ミチオ・カク博士)
理論的、技術的にあらゆることが実現可能となっていく現代では、法律・倫理・宗教等の観点からのより活発な議論を求めたいものである。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「EWAO」、「Live Science」ほか
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