19世紀フランスの村人が書いた“ゲス日記”が発見される! 愛人、赤子殺し、エロ神父… 村のタブーを全告白、まるで昼ドラ!

 その女性はその後も6人の子どもを産んだが、そのうち4人は馬小屋の下に埋められたという。ヨアキムによると、その子たちを殺したのはヨアキムの古い友人であるバンジャマンだったそうだ。どうやらバンジャマンは女癖が悪い男だったらしく、日記を執筆した時にはヨアキムの妻にも色目を使っていたらしい。「1868年のある日の深夜、私が馬小屋の近くを通った時、その中から誰かの嗚咽が聞こえてきた。それは私の古い友人の愛人だった。彼女は子どもを出産していた」

「この犯罪は私の結婚生活をめちゃくちゃにしようとしている。私がすべきことは一言喋り、馬小屋を指差すだけ。そうすれば奴らは刑務所入りだ。だけど私はしない。バンジャマンは私の幼い頃からの友人なのだ。そして、彼の母は私の父の愛人だった」

 ヨアキムの日記をまとめ出版したブードン教授によると、ヨアキムは度重なる嬰児殺しに恐れを抱いていたが、隣人でもあったバンジャマンの家族が自分の家族と親密な関係にあったため、告発しなかったという。ヨアキムによると、レ・クロット村では誰もが嬰児殺しが行われていることを知っていたが、それを口にすることはタブーだったようだ。このような重苦しい村の空気がヨアキムに秘密の日記を書かせたのかもしれない。

 BBCが紹介しているもう1つのエピソードは、ヨアキムの地元の神父に対する怒りが綴られたものだ。1880年代は第三共和制が誕生したばかりで、フランス中に改革の嵐が巻き起こっている最中だった。特に政教分離と世俗化の政策が推し進められ、教会の権力が制限される過程にあった。ヨアキムは改革を歓迎した。その理由はおそらく、地元の聖職者だったラジエ神父に対する個人的な敵意だった。ラジエ神父は性的な喜びを感じることを戒めながらも、自身は他人の妻を何人も寝取っていたそうだ。

「ラジエ神父は家庭の事情に首を突っ込み、あろうことか妻とのセックスのやり方まで詮索するなんて、こんなのは絶対に間違っている。奴は月に何回するのか、どんな体位でするのかまで聞いてくる。豚野朗は死んでしまえ」

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