伝説のマフィア末裔、マリオ・ルチアーノが激白「サイゼリヤは場合によっては高級イタリア料理屋よりいい」
2万部を突破した『ゴッドファーザーの血』の著者、マリオ・ルチアーノへのインタビュー中編をお届けする(前編はこちら)。“伝説のマフィア”ラッキー・ルチアーノの末裔である彼は、日本で何を見て、何を感じたのか?
――アメリカ、コロンビア、パキスタン、フィリピンなどで多くの修羅場をくぐり抜けた末、1987年に日本へたどり着いたマリオさん。以来、30年以上、ずっとこの国で生活しているそうですが、日本はそんなに居心地がよいですか?
マリオ・ルチアーノ(以下、マリオ) はい。日本人は世界一マナーがいい。本当に素晴らしい国だと思います。私は日本で生涯を終えたいと考えています。
――1987年に来日した当初は、戸惑いませんでしたか? たとえば当時のヤクザは「パンチパーマに口ヒゲ」がスタンダードだったと思うのですが。
マリオ みんな同じ格好、みんな同じ顔に見えて、最初は驚きました。
――経済ヤクザとして山口組に所属していたマリオさん。「郷に入っては郷に従え」で、そのジャパニーズ・スタイルに合わせたのでしょうか?
マリオ いや、私は今も昔もこのスタイルのままです。もちろん事務所に行くようなときには、ダークスーツにネクタイを締めましたが。
――マリオさんの著書には、日本の極道社会の「指詰め」の儀式に戸惑ったという記述がありましたが、そのほか日本のヤクザを見て驚いたことはありますか?
マリオ さっき日本人はマナーがとてもいいと言いましたが、ヤクザは普通の人よりも、さらにマナーがいいことに驚きました。2012年に改正暴力団対策法が施行される以前は、都内にある私のお店にもたまにヤクザがお客さんとして来ていたのですが、彼らは普通の人が来ない時間帯、たとえば土曜の夜か、日曜の夜に来て、行儀よく食事をしていく。そして食後はわざわざキッチンまで来て、「美味しいご飯をありがとうございました」と言って一斉に頭を下げて帰っていく。
――日本で一番好きな街はどこですか?
マリオ 銀座ですね。特に昔の銀座が好き。ここ(帝国ホテル)に住んでいたこともあるから、地元みたいなものです。でもここ数年で、銀座もだいぶ変わりましたね。コリドー街なんかはナンパも増えて、若い人の街に変わってしまった印象があります。
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