“伝説のゴッドファーザー”末裔に取材!大物マリオ・ルチアーノ「ちゃんと学校に行けばよかった、もっと勉強をすればよかった」
――そうなんですか。
マリオ そりゃそうですよ。普通の人になりたかったです。ちゃんと大学にも通って、卒業後は自分の国に戻って、親と一緒に過ごして、結婚して子どもを作って、休日にはおじいちゃんおばあちゃんに会いに行って……という普通の生活を送りたかった。ゴールデンウィークとかになると、いまだにフラッシュバックに襲われます。
――どのようなフラッシュバックに?
マリオ 家族のことです。自分の親や娘をあまり大事にせず、ずっと自分の道を行ってしまった。だから、もう会うことのできない家族のことを思うと深く落ち込みます。もっとまともな生き方をしていれば、会いに行くこともできただろうし、もっとダッコもできたのに、と……。
――本の中では、友人や仲間が死んだり、近親者から裏切られる話も多く出てきます。そうした悲しみをどうやって乗り越えてきたのでしょう?
マリオ 悲しみはずっとそのまんまよ。デリート(削除)できない。できるならやってみたいですよ。
忘れたくても忘れられない過去を多く抱えるマリオ。その凄絶な半生は著書『ゴッドファーザーの血』にてご確認いただくとして、次回、インタビュー中編では、世界各国の裏社会を渡り歩いてきた彼に、マフィアとヤクザの相違点や、日本という国の印象、さらには好きなマフィア映画とヤクザ映画などについて語ってもらおう。
マリオ・ルチアーノ●1964年、イタリア・シチリア島カターニア出身。映画『ゴッドファーザー』のモデルとなったとされる“伝説のマフィア”ラッキー・ルチアーノの血を引く。5歳のとき、父と共にニューヨークに渡る。その後、パキスタンやフィリピンなど世界各地で暮らし、23歳のときに来日。長らく経済ヤクザとして活動していたが、すでに足を洗った。現在、東京・茅場町でレストラン「ウ・パドリーノ」を経営。今年4月に『ゴッドファーザーの血』(双葉社)を上梓。最新刊に『破界: 山口組系組員になったゴッドファーザー末裔の数奇な運命』(徳間書店)がある。
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