冷蔵庫から猫の首…軍艦島伝道師・黒沢永紀が「軍艦島と池島」を紹介! 遊廓・朝鮮人労働者の裏話や軍艦島のダンジョンも!
●キリシタン専用の霊安所<軍艦島>
軍艦島になかったものの一つ、それが火葬場だ。土地が狭い軍艦島では建物が密集しているため、葬煙が島内に回るのを避けて、火葬場は軍艦島から北方700mの中ノ島にあった。ただし霊安所は島内にあり、おもに病院で亡くなった方々を安置したのは、病院の裏と護岸に囲まれたひっそりとした場所だった。子供時代を島で過ごした元島民からは、近づいてはいけない場所といわれていたと聞く。
閉山後に軍艦島の特集を組んだ西日本新聞の記事に、この場所を撮影した写真が掲載された。そこには、通常の霊安所とは別に、大きな十字形の彫り抜きがある構造物が見てとれる。十字形といえば思い当たるのはキリスト教。はたしてこの霊安所は、キリスト教信者のためのものだったのだろうか。
県民の20人に1人がカトリック信者といわれる長崎県。当然軍艦島にもカトリック信者はいた。ただし島内に教会堂はなく、中心的な信者の部屋に集まってお祈りを捧げていたようだ。くだんの十字マークをくり抜いた霊安所が、カトリック信者専用のものかどうかは、今のところ分かっていない。しかし、カトリックが盛んな長崎ならではのエピソードと言えるだろう。
ちなみに池島にも教会堂はなかったが、対岸の教会が運営する「愛児園」とよばれた保育園があり、日曜のミサなどはそこで行われていた。また、山田洋次監督の名作『家族』は、長崎県の伊王島にあった伊王島炭鉱を舞台にした映画で、冒頭のシーンに白亜の馬込教会が映し出されていた。潜伏キリシタンの歴史とともに、長崎とカトリックは切っても切れない深い縁で結ばれていることを、あらためて実感する。
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2024.10.02 20:00心霊冷蔵庫から猫の首…軍艦島伝道師・黒沢永紀が「軍艦島と池島」を紹介! 遊廓・朝鮮人労働者の裏話や軍艦島のダンジョンも!のページです。軍艦島、秘境、長崎、池島、黒沢永紀などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで