スマホが1秒で充電できる「量子バッテリー」誕生へ! 物理学者がガチ開発中、「量子もつれ」応用がカギ=豪
スマートフォンの充電を十分にすることができず出先で困った経験がある人も多いだろう。そんな時に役立つのがモバイルバッテリーだが、こういう時に限ってモバイルバッテリーの充電も切れてしまっているものだ。億劫な充電をなんとか一瞬で済ますことはできないだろうか? そんな日常の悩みを解決してくれるかもしれない新時代の「量子バッテリー」に注目が集まっている。
オーストラリアの国営放送「ABC」(7月21日付)によると、かつて東京大学にも在籍していたオーストラリア・アデレード大学のジェームズ・クアッチ博士が、量子力学を応用した「量子バッテリー」の製作に世界で初めて乗り出したという。
クアッチ博士によると、量子バッテリーが実現すれば、スマートフォンをはじめとしたあらゆる電子機器を“1秒以下”で充電することが可能になるそうだ。
「現時点では、あなたの携帯の充電に30分~1時間かかるとしても、我々の研究が成功すれば、瞬間充電が可能になります。これは電池業界に革命をもたらしますよ」(クアッチ博士)
また、既存のバッテリーはいくつ繋いでも充電時間に違いはないが、量子バッテリーならば、「1つの量子バッテリーで充電するのに1時間掛かるとしたら、2つの量子バッテリーがあれば30分、3つあれば20分」になるという。
クアッチ博士によると、量子バッテリーを可能にするのは量子力学で知られている「量子もつれ」と呼ばれる現象だ。量子もつれの状態にある2つの粒子はたとえ物理的に引き離したとしても同期的な振る舞いを見せる。例えばどちらか一方に与えた情報は瞬時にもう一方に伝わるのである。量子もつれの性質をバッテリーに応用することで、充電のプロセスを劇的に速くすることが可能になるそうだ。
クアッチ博士は2013年から量子バッテリーの構想を温めてきた。今回は晴れてその理論を実験室で再現する段階に来たという。最初の実験結果は6カ月後に出る予定とのことだ。その後は、規模を拡大していき、ゆくゆくは継続的な電力供給ができる装置を開発していくという。
量子もつれを人為的に作り出すためには、低温で独立した系を持つ特殊な実験環境が必要となるため、量子バッテリーの実用化はまだまだ先のことになるだろう。しかし、今から数年後、数十年後には“量子充電”が当たり前のものになっているかもしれない。クアッチ博士の今後の研究に期待したい。
参考:「abc news」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊スマホが1秒で充電できる「量子バッテリー」誕生へ! 物理学者がガチ開発中、「量子もつれ」応用がカギ=豪のページです。スマートフォン、オーストラリア、量子もつれ、充電、量子バッテリーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで