ついに「宇宙人のための音楽」が完成! 実験哲学者ジョナソン・キーツがヤバ過ぎる“アセンション音”を披露!

 意外なことだが、音楽の普遍性という点において、キーツ氏の思想は音楽史にしっかりと根ざしている。たとえば、ギリシャ系フランス人の現代作曲家ヤニス・クセナキスは、数学のグラフ図形や確率論を元にしてオーケストラ曲を作曲して音楽界に衝撃を与えたことで知られる。その曲は決して聴き心地の良いものではないが、(数学が客観的だという前提において)音楽の“普遍性”を追求した点でもキーツ氏とかぶるところがある。

 また、無調の音楽を作曲したオーストリアのアルノルト・シェーンベルクともキーツ氏の思想は親和性があると言えるだろう。シェーンベルクの音楽も決して我々にとって聴き心地のよいものではないが、それは彼が調性という人間のために作られた合理的な音楽手法を放棄したからだ。

ついに「宇宙人のための音楽」が完成! 実験哲学者ジョナソン・キーツがヤバ過ぎるアセンション音を披露!の画像5画像は「YouTube」より引用

 ただ、クセナキスやシェーンベルクの音楽があくまで音楽内部から自律的に生まれてきたものに対し、キーツ氏の思想はより広い射程を持っていると言えるだろう。それは以下のキーツ氏の発言からも伺える。

「現在、人間社会は信じられないほど傲慢になっています。しかし、私が作曲したような普遍的音楽が、他者への共感をより高め、全音域の経験へのより豊かな感受性、さらには未知への気付きを与えてくれることでしょう」(キーツ氏)

ついに「宇宙人のための音楽」が完成! 実験哲学者ジョナソン・キーツがヤバ過ぎるアセンション音を披露!の画像6ジョナソン・キーツ氏「YouTube」より引用

 以前トカナのインタビューに応じた、ドキュメンタリー番組「古代の宇宙人」の製作に携わっているジョルジョ・ツォカロス氏も、人類中心主義的な歴史観を人類の傲慢さの表れだと指摘していた。キーツ氏の思想はまさに宇宙的な視点でこそ理解されるべきだろう。

 また、クァンタン・メイヤスーやグレアム・ハーマンといった今をときめく哲学者らも人類の思考を縛り続けてきた人間中心主義からの脱却を目論んでいる。驚くべきことに、その根底においてキーツ氏、ツォカロス氏の思想は、現在の哲学と繋がっているのだ。やっと人類は、宇宙人を受け入れるとば口に立ったのかもしれない。

参考:「Fastcompany」、ほか

TOCANA編集部

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