タコがMDMAをキメるとタコウ感で「ラブ&ピース」になることが判明! 人間とタコの脳は同じだった!?
MDMAを与えられると、タコも「ラブ&ピース」を感じるらしい。米国の科学者らによる研究が話題を呼んでいる。
1980年代の米国を中心に流行した幻覚剤MDMAは、「愛の薬」などとも呼ばれるように、摂取した人の共感性と多幸感を増して「ラブ&ピース」な気分にしてくれるドラッグだという。もちろん現在では多くの国々で危険な薬物の一種とされて規制の対象とされているのだが、一方では心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的な障害や病気に有効であるとして研究が続いている。
では、このMDMAをタコに与えたらどうなるか? 基本的には単独で暮らす、非社交的な生物であるタコにMDMAを与えたら、その行動に変化は起きるのだろうか? 米国のウッズホール海洋生物学研究所とジョンズ・ホプキンス医学校の生物学者らがカリフォルニア・ツースポットタコ(Octopus bimaculoides)を使って実験を行った。
実験では3つの区画に区切られた水槽を使った。それぞれの区画は穴のあいた透明な壁で仕切られ、中央の区画には何もないが、左右の区画にはそれぞれケージが置いてあり、一方には花瓶や人形などのオブジェクト、もう一方には生きたタコ(オスまたはメス)が一匹入れられている。実験用のタコは一匹ずつ中央の区画に入れられ、その動きが観察された。
通常状態のタコ(オス・メス5匹ずつ)は、ケージに入れられているタコがメスの場合は比較的好意的で交流を持とうとしたが、オスだった場合はその区画から離れ、反対側のオブジェクトが入ったケージのある区画で過ごしていた。だが、MDMAを含む海水に漬かっていたタコ(オス・メス4匹ずつ)は明らかに行動が違っており、タコがいるケージのある区画で過ごし、ケージを抱きしめるかのように絡みついて、口の部分を押し付けていたという。それも中にいるタコの性別に関わらず、だ。これはMDMAを摂取した人間の行動にも似ているという。
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