もしもZOZO前澤社長が月周回旅行でレプティリアンや宇宙人に誘拐されたら、我々は救えるか? 弁護士が徹底解説!
●レプティリアンに、地球の法律を適用できるか?
1については、「外国人に、日本の法律を適用できるか」という問題に似ています。
日本の、特に、犯罪を処罰する刑法においては、「属地主義」という原則を採用しており、日本の国内で発生した犯罪については、外国人だろうとなんだろうとおかまいなしに日本の刑法を適用し処罰します。
また、日本の国益が害されるような行為、たとえば、通貨偽造などの犯罪については、たとえ海外での外国人による犯行であっても、日本の刑法を適用します。これを「保護主義」といいます。
これを参考にすると(アホかと思われそうですが)、「地球と月の周り」は、地球のテリトリーでしょうから地球の法律を適用できるでしょうし(属地主義)、前澤社長のように地球にとってかけがえのない方の生命・身体を害するような行為は、保護主義の観点から、たとえ、レプティリアンによる犯行であっても、地球の法律を適用して処罰すべきでしょう。
●できるとして、どこの国の法律を適用するのか?
次に、2では、どこの国の法律が適用されるかですが、参考になるか分かりませんが、日本の刑法には、「日本国外にある日本船舶または日本航空機内において罪を犯した者には、日本の刑法を適用する(刑法第1条2項)」旨の規定があります。多分、アメリカの刑法にも似たような法律があるでしょう。
とすると、前澤社長が乗る「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」は、アメリカの宇宙船(航空機)なので、レプティリアンには、アメリカの刑法の「誘拐罪」が適用されることでしょう。
●執行力はあるのか?
最後に3の執行力があるのかどうか(FBIなどの法執行機関が逮捕などできるか)ですが、「外交関係に関するウィーン条約」という条約を考えてみます。
これは、外交官などに対し、外国で拘禁されたり、裁判にかけられたりしない特権を与える条約です(条約第29条、31条など)。
また、歴史的には、未開の国の法律の適用を受けないようにする不平等条約(例えば、明治維新後、日本は、アメリカ人に日本の裁判権を使えませんでした)なんかもあります。
とすると、地球は、銀河系ではまだまだ未開の星なので、レプティリアンは、歴史的・外交的に認められた「治外法権」を主張してくるかもしれません。
この場合、FBIなどは法執行をすることができなくなりそうです。
まぁ、銀河裁判所みたいなところに異議を出すのでしょうね。きっと。
また、あんまり考えたくありませんが、レプティリアンに殺害されてしまったような場合にも、上記のとおり、アメリカなどの法律を適用して逮捕したり裁判したりすることは難しそうです。
ただし、これが、星としての侵略行為である、と考えられるなら、ハリウッド映画みたいなことになるんでしょうね。
ところでこの点、実は、前澤社長、事前にレプティリアンからワイロを受け取っていて、地球侵略のためのスパイだったような場合ですが、日本には「外国と通謀して日本に武力行使をさせる犯罪(外患誘致罪(死刑!))」があります。
おそらくアメリカなどにも同じような法律があるでしょうから、厳しく処罰されることでしょう。(ホント冗談です)
(文=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士)
●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、TVやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を様々な方面で活かしている。
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