【身体改造、ロルフ、クレイジージャーニー】ケロッピー前田「ボディサスペンション世界大会2018」最新報告&トカナ連載一覧!

――今年もロルフさんいたんですか?

ケロッピー 「いましたよ。日本ではロルフさんは『クレイジージャーニー』を通じて、ダントツに有名になっちゃってますよね。彼がテレビで見せたアストロノーツ(お尻)という吊り方も、すごく珍しいスタイルに挑戦したわけなんですけど、日本ではアストロノーツばかりがやけに有名になっちゃっで。で、ロルフさん、今年もアストロノーツでした(笑)」

【身体改造、ロルフ、クレイジージャーニー】ケロッピー前田「ボディサスペンション世界大会2018」最新報告&トカナ連載一覧!の画像11同時6人のお尻(アス)サスペンション

――この吊りって、吊られる側がかなり難しそうですよね!

ケロッピー 「そうそう。サスペンションの難易度は、本人がバランスを取らないといけないものほど難しい。つまり、フックの数が多い方が痛そうにみえるけど、フック一個一個にかかる重さは軽減するので、実は長く安定して吊られていることができます。逆にフックが少なくなると、特にワンフックでは、本人がどういう体勢を取るか、身体のどこに力を入れるかでバランスが変わってきちゃうから難しいんです」

――いろいろとあるんですね。オスロ以外でも、サスペンションの大会のようなものは行われているんですか?

ケロッピー 「もともと、ボディサスペンションが一番盛り上がってるのは北米(アメリカやカナダ)です。ヨーロッパはそれに次いでいます。ただ、北米だと、個人の持ち家が広いから、地元のサスペンションチームがあれば、それこそ裏庭の木や大きなガレージで吊ったりできます。そういう意味では、ヨーロッパの方が吊り場も限られることから、特別な場所を借りて、みんなで大会を開催するというスタイルが発達したと思います。アメリカでは、アレン・フォークナーという人が主催する世界大会が、ダラスやメッカで毎年行われています。会場はアメリカの方がびっくりするほど広いと聞きますが、オスロの世界大会で見られる巧みなロープワークや美的なサスペンションはヨーロッパがリードしています。そういう意味では、イタリア、ドイツ・ベルリンなどでも定期的な大会やサマーキャンプなどが行われています。アジアはまだ途上ですが、もっとインターナショナルなサスペンションのコミュニティに入っていけるといいですよね。あと、南米やロシアにもサスペンションのチームがありますから、これからますます世界的なムーブメントになっていくと思います」

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――なるほど! やっぱりカルチャーとして育てていこうという意識の高さがあるんですね。

ケロッピー 「あと、去年のサスコンではなかったんですが、今年は最終日のBBQパーティの前に反省会のようなものがありました」

――最終日のBBQって、サスコン参加記念の焼印をやるやつですよね(笑)。えっ、反省会って、何かあったんですか?

ケロッピー 「今回のサスコンについてというよりも、世界中のサスペンションチームのメンバーが集まっていたので、今後、ボディサスペンションというカルチャーのあり方などについて、超真面目な話し合いが約1時間半ほどありました。参加したのは技術者やスタッフを中心とした50人くらいで、一人ずつ順番にそれぞれ自由にサスペンションの大会の運営、役割、社会的意義などについて発言し、その場で他の意見があれば、他の人も加わる形でした。インターナショナルなカウンターカルチャーを支えるキーパーソンたちの欧米流儀の民主主義的な話し合いの現場を見えて良かったです。いろんな話が出ていましたが、オスロのサスコンはうまく運営されているが、他の大会ではマナーの悪い人が来て困ったみたいな話がありました。僕自身の意見としては、ノルウェーだからこそ、こんなにいい大会が継続していると思います。ノルウェー自体が新しいカルチャーに対して非常に寛容ですから。冷やかしっぽい人がいたら、すぐに追い出されてしまうでしょう。自由であると同時に、他人の自由を尊重できない人には厳しい面もあると感じました」

【身体改造、ロルフ、クレイジージャーニー】ケロッピー前田「ボディサスペンション世界大会2018」最新報告&トカナ連載一覧!の画像15サスコン主催者オーウェ・フィエル

――なんか、皆さん、意識が高いですよね(汗)。ところで、ケロッピーさんは、今回は吊られなかったんですか?

ケロッピー 「やりましたよ。滝で」

――えーっ、早く言ってくださいよ!

ケロッピー 「でも、その件は回をあらためて」

――ずるいー!


■ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ)

【身体改造、ロルフ、クレイジージャーニー】ケロッピー前田「ボディサスペンション世界大会2018」最新報告&トカナ連載一覧!の画像16

1965年東京生まれ、千葉大学工学部卒、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランス。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、現代アート、ハッカー、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。著書に、前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社新書)、『クレイジートリップ』(三才ブックス)など。昨年は、TBS人気番組『クレイジージャーニー』でノルウェーのボディサスペンション世界大会を紹介し、過去の番組で反響の大きかった“極限の光景”ベスト10にて、第一位に選ばれている。
公式twitter:@keroppymaeda

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