映画の出演者が「ほぼ全員元囚人」!殺人、性的暴行、タトゥー、地獄刑務所…映画『暁に祈れ』のヤバさを丸山ゴンザレスが語り尽くす!!
――ムエタイのシーンはいかがでしたか?
丸山 僕もムエタイをやっていましたので、とても面白く見させていただきました。意外と知られていませんが、ムエタイって、一発逆転を狙う貧民層のスポーツなんですよ。チャンピオンになれば上の階層の人々に受け入れられるけど、それまではコマのような、粗暴な扱いをされてしまう。だから、「ムエタイをやっている=貧しい階層の出身」で、そういった現実も劇中で示されていたりするところが面白い。
あとは、ムエタイの指導者役のソムラック・カムシン(アトランタ五輪ボクシング金メダリスト)が登場したときは「きたー!!」となりました。しかも、ソムラック・カムシンがくわえタバコで指導するのが面白くて。獄中の“あしたのジョー”感バリバリで、丹下段平にしか見えなくて。
――(配給会社の担当者)あれは演出じゃなくて、本当に本人がずーっとタバコを吸う人なんですよ。
丸山 えー!(驚愕) やっぱりこの映画はそういうリアルを上手に使っているよね。途中“これドキュメンタリーじゃねえのか”って思う部分が結構あって。そういうのを見つけるのも楽しいです。
――これまで世界各国のスラム街やギャングを取材されてきた丸山さんから見て、タイの刑務所の怖さはどこにあると思いますか。
丸山 刑務所は、無法地帯じゃなくて“管理された空間の中“じゃないですか。つまり、一歩外に出たらまともな暮らしがあるのに、壁ひとつ隔てると、徹底して管理された空間である刑務所があるわけですが、実はそこが無法地帯だという。そこがやっぱり面白いし怖いですよね。
また、刑務所の中にはそこ独自のルールがあるのも怖い。刑務所だけじゃなく、孤島などにも感じるのですが、ローカルルールに支配された場所って、外部の人間にはわからないし、見えてこない。しかもそのルールから逸脱すると、すぐさま殺害されてしまったり、仲間に入れてもらえなかったりする。外の手が及ばない場所だからこそ、恐ろしいって感じで、この怖さはスラム街とは全然違う。だって、スラムは町中と地続きじゃないですか、刑務所は壁一枚隔てていますからね。
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2024.10.02 20:00心霊映画の出演者が「ほぼ全員元囚人」!殺人、性的暴行、タトゥー、地獄刑務所…映画『暁に祈れ』のヤバさを丸山ゴンザレスが語り尽くす!!のページです。タイ、刑務所、丸山ゴンザレス、ムエタイ、囚人、カンヌ国際映画祭、暁に祈れなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで