性的虐待、肉親への憎悪…母娘の念で9人死んだ実話怪談! 川奈まり子の「呪殺ダイアリー」後編
しかし現実には、児童虐待事件の犯人には被害児童の実母も少なくない。
河合隼雄氏は同書の中でこう書いた。
《実際にわれわれは、実母でありながらコインロッカーに入れ込む例を知っているし、継母でも子どもを立派に養育している例を知っている》
《……地母神は同時に生の神であり、死の神なのである。これを示す一例として、日本神話におけるイザナミは、日本の国をすべて産みだした偉大なる母の神であるが、黄泉の国を統治する死の神でもある事実をあげておこう。
かくて、母性はその根源において、死と生の両面性を持っている》
恵子さんの人生は実の父親が悶死する場面から始まった。祖父母も死に、そのずっと前に2人の兄が死んでいる。
そして今、彼女自身も母に殺されかねない状況に陥ったのだった。
恵子さんが7歳のとき、母は再び家に男を連れてきた。
亡くなった継父は母の籍に入っていたが、こんどは戸籍を弄ることなく、内縁関係とした。つまり格好としては死んだ継父と同じことだったから、恵子さんは最初、再び暴力を振るわれるのではないかと恐れた。
しかしこの3人目の男は最初のうち、優しかった。
工事現場の作業員で、早朝に出掛けて、夜は早くに帰宅して、外を遊び歩くこともしない。「子どもが好きだ」と彼は度々口にしていた。宿題を見てくれて、一緒にテレビを観れば笑い声をあげ、母が夜のクラブ勤めを始めると、恵子さんと姉のために夕食をこしらえてくれた。
ところが、一緒に暮らしはじめて1年ほど経ったある日のこと、夜、恵子さんが下半身に違和感を覚えて目をさますと、男の手指が股間を這いまわっていた。驚いて声も出せずにいたところ、男の唇で口を塞がれ、何がなんだかわからないままに長い時が過ぎた。
「お母さんとお姉ちゃんには内緒だよ」
……これが始まりで、夜毎、玩具にされるようになってしまった。
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2024.10.02 20:00心霊性的虐待、肉親への憎悪…母娘の念で9人死んだ実話怪談! 川奈まり子の「呪殺ダイアリー」後編のページです。怪談、家、娘、母、実話怪談、川奈まり子、情ノ奇譚などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで