地球の生物のほとんどは未知の「地底世界」に住んでいると判明! 最大230億トン、独自の生態系に科学者戦慄

地球の生物のほとんどは未知の「地底世界」に住んでいると判明! 最大230億トン、独自の生態系に科学者戦慄の画像3The Guardian」の記事より

■数千年の時を超える微生物

 極端に暑く、光が届かず、栄養素が乏しく、強い圧力が加わっているという、生命が生き抜くことが難しい環境であるにもかかわらず、最大230億トン――。地球上に住む全人口の数百倍もの重量の微生物たちが、地下の生物圏にひしめいていると研究者たちは推定している。

 かかる推定は、海底掘削地点5kmからのサンプル採取に裏付けられたものだ。採取の結果として、フックをもつアルティアルカエウム目や、セ氏121度の熱水孔に棲むゲオーゲンマ・バロッシイを含んだ、地球に生息するバクテリアと古細菌の約70%が地下に居住していることが確認されたのである。

 表層から2.5kmのところにある生物は、何百万年もの間埋められたままの状態で、太陽からのエネルギーにまったく頼っていない可能性もある。例に挙げると、メタン生成菌は、そうした低エネルギー環境においてもメタンを生み出す方法を編み出し、自己の修復に利用する能力を持っている。

 ロイド氏は付け加えた。

「何千年もの間、いくつかの有機体が存在し続けている疑いが残ることを、私はとても不思議に感じています。それらは代謝的には活性であるが静止していて、私たちが想定するよりも少ないエネルギーで生命を保ち続けます」

 この問題について、オレゴン州立大学の微生物生態学者であるリック・コルウェル氏は、地下のタイムスケールが地上と全く異なる点を指摘している。いくつかの微生物は何千年もの間生き残り続け、プレートの運動、地震または噴火を除いては、かろうじて移動しているに過ぎないという。

「私たち人間は、太陽に基づく日周サイクル、または月に基づく月周サイクルという比較的急速なプロセスに根ざして生活していますが、これらの有機体は地質学的時間スケールにおける、ゆっくりとした持続的なサイクルに取り込まれているのです」(リック・コルウェル氏)

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