「数学が苦手」な人は“数学トラウマ”に罹っているだけと確定! 元凶は宿題でもお馴染みの××… 克服法も!
文科系の学部の出身者がよく口にするセリフに「文系なので……」というエクスキューズがあるが、こうした物言いを今後もそのままにしておいていいのだろうか。教育現場の数学教師は、数学に苦手意識のある人々は決して数学の資質がないのではなく“数学トラウマ”を抱いているだけであると説明している。
■“数学トラウマ”の真犯人は?
現在の学校教育では、中学か高校のどこかの時点で理系か文系かを選択することなるが、この時に文系を選択する生徒の多くは数学への苦手意識、いわば“数学トラウマ”を抱えているからであるといわれている。
決して少なくない生徒がまだ幼少の頃から“数学トラウマ”を持ってしまうのはきわめて残念なことであり、社会的損失でもあると米オレゴン大学教育学部のジェニファー・ルーフ助教授が世に訴えている。そして算数への接し方を変えることで、この“数学トラウマ”は克服できることを解説しているのだ。
まずは“数学トラウマ”の“犯人”は誰なのか。いくつかある“犯人”のうち、最も“真犯人”に近いのが時間制限のある計算ドリルにあるということだ。小学生の算数の授業や学習塾などではある意味で自然に、計算問題を速く正確に解くことが競われてしまっているという。解くのが速い生徒もいれば遅い生徒もいるが、この時の体験で計算が遅い生徒が徐々に計算問題に苦手意識を持ち、“数学トラウマ”を抱きはじめるということだ。
この“数学トラウマ”は心の傷となるだけにとどまらず、実際に計算問題を前にしてワーキングメモリーの低下を招くことが研究で報告されている。“数学トラウマ”を抱くほどに、現実に計算問題が不得手になるということになる。そして、その後の方程式から関数、代数から幾何という数学への関心を失い、文系を選ばざるを得ない事態を迎えるのだ。
これまでの時代であれば、計算が早いというのも立派な能力であったが、知っての通り今は単純計算を人間が行う時代ではなくなっている。したがって現在の算数の教育において、計算スピードは重要視されていないということになる。
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